ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー(グッドイヤー)は、シカゴにあるクラシックカーとカスタムカーのミュージアム「Klairmont Kollections」と共同で、ジュネーブ国際モーターショーにおいて、半透明タイヤを装着した「Golden Sahara II」を披露した。
「Golden Sahara II」は、カスタムカーデザイナーのジョージ・バリスが所有していたリンカーンカプリ(1953)に、同じくカスタマイザーであるジム・ストリートが改造を加え、1960年に発表された、新しい電子システムを実験する自動走行車の最初のコンセプトの一つ。
航空機のコントロールレバーにインスピレーションを受けた、加速、ブレーキング、ハンドリングの制御システムと、車の進路上にある障害物を感知するセンサーを搭載した自動ブレーキシステムを特徴とし、当時のグッドイヤーが開発したゴールドに光るシースルータイヤを装着していた。
このタイヤは、グッドイヤーが半透明構造のネオタン(Neothane)を使って開発したもので、タイヤに内蔵された装置により発光。悪天候下におけるタイヤの視認性向上やブレーキングと連動してタイヤが発光する仕組みの実現性を探る研究範囲の一つだった。
Golden Sahara IIは、その全盛期、全米各地を巡り、数多くのテレビ番組や映画に登場。その後、約50年間を経て、2018年5月にKlairmont Kollectionsがオークションで車両を購入し、シカゴのSpeakeasy Customs & Classics の協力を得て修復。今回、グッドイヤーの新たな半透明タイヤが装着されて、ジュネーブ国際モーターショーで発表された。
この発表に際して、Klairmont Kollectionsの創設者・オーナーであるラリー・クレアモント氏は、「私と私のチームは、2019年のジュネーブ国際モーターショーにおいて、この象徴的な車を実用化するためにグッドイヤーと協力してきたことを誇りに思います。」と話している。
また、グッドイヤー ヨーロッパ 消費財担当副社長のヘンリー・デュモティエ氏は、以下のように話している。
「グッドイヤーにとって、1950年代と60年代は技術革新に向けた取り組みを強化していた時代でした。月面探査車開発や自動車最高速度記録達成など、あらゆる分野でモビリティ企業のパイオニアたちと協力して革新に取り組んでいました。Golden Sahara II プロジェクトにおけるグッドイヤーの関わりは、我々の自動運転社会の未来を形成する第一歩でした。
グッドイヤーがGolden Sahara II プロジェクトに再び参画できたことを、大変光栄に思っています。発見と革新は、常にグッドイヤーの核心をなすものであり続けます。Golden Sahara II のようなプロジェクトや我々がジュネーブ国際モーターショーで発表するコンセプトタイヤの開発に取り組むことは、未来に可能性のある商品やサービスを想像する力を強化するいい機会と考えます」。