米国のゼネラルモーターズ(GM)は4月16日(現地時間)、LGエナジーソリューション(LG Energy Solution)との合弁会社である「Ultium Cells(アルティウム・セルズ)」が、23億ドル超を投資して、テネシー州スプリングヒルに米国2カ所目となるアルティウム・バッテリーセル製造工場を建設すると発表した。
約280万平方フィートの新工場はGMの所有地に建設され、約1,300人の新規雇用を創出する見込み。間もなく着工され、2023年中に操業を開始する予定。稼働後には、GMのスプリングヒル組立工場へバッテリーセルを供給すると云う。
アルティウム・バッテリーは、バッテリーパック内に大容量のパウチ型セルを垂直または水平に積み重ねられるよう設計されていることから、各車両のデザインに応じて蓄電容量やレイアウトの最適化が可能。容量は50~200kWhで、航続距離はフル充電で最大450マイル以上、0~60mph加速3秒以内が想定されている(※)。
GMは、このアルティウム・バッテリーテクノロジーを、手頃な交通手段、あるいは高級車、作業用トラック、商用トラック、高性能車両といった、市場のほぼすべてのEV顧客に対応するための競争戦略の核として独自開発。製造するスプリングヒル工場に、最先端の効率的なバッテリーセル製造工程を採用し、技術や素材の進歩にも柔軟に対応している。
[新工場建設についてのコメント]
■GM会長兼CEO メアリー・バーラ氏
合弁事業パートナーであるLGエナジーソリューションの協力により、米国国内で2カ所目となる「アルティウム」バッテリーセル工場が新たに加わることは、全車電動化の未来への移行におけるもう一つの大きなステップです。テネシー州の支援がスプリングヒルへの投資を可能にした重要なファクターとなりました。我々がEV生産を支援するための製造拠点の転換を進める上でこのような支援は極めて重要です。
■LGエナジーソリューション社長兼CEO キム・ジョンヒョン氏
GMとのパートナーシップを通じて、テネシー州は電気自動車(EV)とバッテリー生産の新たな重要拠点になるでしょう。これにより我々は、研究、製品開発、生産から原材料の調達に至るまですべてを可能にする、米国を拠点とした堅固で安定したサプライチェーンを構築することができます。重要なのは、今回の提携が単なるパートナーシップを超えて、二酸化炭素排出量を削減し、EVの普及促進に貢献する決定的な瞬間になると確信できることです。
■Ultium Cells:https://www.ultiumcell.com/
■LGエナジーソリューション(英語):https://www.lgensol.com/en/index