独Ibeo(Ibeo Automotive Systems GmbH)は10月20日、同社製ソリッドステート式ライダー(LiDAR/光検出や距離測定機能にモーター駆動を採用せず、半導体技術によるものに置き換えた静的センサー)〝ibeoNEXT〟にamsの基板の垂直方向にレーザー光を射出する垂直共振器面発光レーザー(VCSEL/Vertical Cavity Surface Emitting LASER)技術を搭載したと発表した。なお同システムは中国・長城汽車(Great Wall Motor Company)でレベル3自動運転車両に搭載される。
ちなみにオーストリアに本社拠点を置くamsと独Ibeoの両社は、新たにADAS(車両の先進運転システム)へソリッドステートライダーを提案するべく、2018年にライダーの共同開発に着手している。
このibeoNEXTは、放射したレーザーパルスで広範な検出範囲に於いて高解像度な3Dデータを取得できるのが特徴。具体的には照射されたレーザーパルスが再びセンサへ戻るまでに掛かった時間を利用し、ソフトウェア機能を介して車両周囲の障害物までの距離を計算するという仕組み。
独IbeoのibeoNEXTは、多数のレーザーパルスを同時並行で処理できるため、ガードレールや路上の標識のみならず車両、自転車、歩行者の位置や動きを正確に認識し、より精緻に周囲環境の3Dモデルを生成する。また先の通りソリッドステートライダーであるibeoNEXTは、機械構造やミラーなど可動式のビームステアリング機構を備えないため、信頼性とシンプルさの面でメリットを有していると謳っている。