ドイツのBASFは、高温のオイルと接する自動車部品に特に適したエンジニアリングプラスチック「ウルトラゾーン(Ultrason)E0510 C2TR」を上市する。
ウルトラゾーンE0510 C2TRは、卓越した摩擦特性、高耐油性、優れた寸法安定性を持ち、また、10%の炭素繊維強化材を使用した射出成形グレードであるため、-30℃から+180℃までの幅広い温度範囲での使用ができると云う。
また、粘度が低く、流動性に優れ加工も容易なことから、オイルポンプ、オイルコントロールピストン、圧力バルブ、オートマチックあるいはマニュアルギアボックス内の高速コンポーネントといった、オイルと接する様々な自動車部品の製造に適しているほか、代替駆動システム向けの新しい用途への使用も可能。
厚さ1mm未満の部品でも、安定性、耐久性、耐油性を損なうことなく射出成形でき、熱膨張係数が10.4 [10-6/K] と低いため、寸法安定性を維持し、低温から高温への急激な温度変化にも耐えうる部品を実現。
国際規格であるASTM G137に準拠したテストでは、摩擦学的に最適化された他の高性能熱可塑性樹脂の性能を上回る摺動(しゅうどう:滑りやすさ)性能が示され、機械的安定性と耐薬品性においても、ほとんど変化が認められなかったと云う。
さらに、ポリエーテルスルホン(Ultrason E)、ポリスルホン(Ultrason S)、ポリフェニルスルホン(Ultrason P)を含む、BASFのスルホン系樹脂製品群である「Ultrason」の特性である優れた耐薬品性、難燃性、高い剛性と強度、温度変化に対する安定性、卓越した耐加水分解性も備えているため、電子機器、自動車、航空宇宙産業にとどまらず、ろ過用メンブレンや、温水や食品と接する部品として、熱硬化性樹脂、金属、セラミックの代替としての利用が可能だとしている。
■BASFジャパン:https://www.basf.com/jp/ja.html