具体的に、このソリューションには以下の2つのバージョンがある。
1,電動モータとインバータ、ギアボックスが一体の「eAxle(eアクスル)」搭載
2,電動モータとインバータが一体の「Electric Drive Module(エレクトリック・ドライブ・モジュール)」搭載
1のeAxleは、ギアボックスも一体となったコンパクトな電動ドライブトレインで、出力が50〜300kWの範囲でカスタマイズ可能。
すでに乗用車向けユニットが150KWバージョンで2019年からの生産が決まっているが、商用車向けでも小型バンから大型バンまで幅広く対応できるユニットだ。
また、2のElectric Drive Moduleは、重量58kgという軽量なユニットで最高出力180kWを発揮、小型バン等に最適なドライブユニットだといえる。
いずれも、EV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)への採用を念頭に開発されたもので、採用する自動車メーカーはドライブトレインの開発コストが低減できるメリット等もある。
同社の取締役会メンバーであるMarkus Heyn(マーカス・ハイン)博士は、
「都市を走る配送用トラックのルートは、1日に80キロメートル未満がほとんどなので、1回の充電で十分まかなえる距離です。(電動化した配送トラックが)1日の配送を終えて、夜間に配送センター等で充電すれば翌日にはまた走ることできます」
と、配送用トラックの電動化は十分に運用が可能であることに言及。また、電動化により、配送トラック等が都市内への乗り入れを制限されるという問題の解決にも繋がるという。
同社によると、例えば、ドイツでは「商用車の4分の3が(都市配送用の)バン」であるため、同社の電動化パワートレインに対する「市場の潜在的需要はかなり大きい」とにらんでいる。
「都市部の配送交通のあり方を変える可能性も十分にある」とする、同社の商用車向け電動パワートレイン戦略に、今後も注視したい。
参考:eCity Truck powertrain公式ページ(英語)