埼玉工業大学(以下、埼工大)と同大学発の企業ベンチャーであるフィールドオートは、横須賀市・横須賀リサーチパーク(YRP)で1月24日~26日に開催された「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ2019」において、自動運転の試乗デモンストレーションを共同実施、2月27日にその内容を明らかにした。
当イベントは、横須賀市におけるスマートモビリティの開発・実証の推進等を行う団体、ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ推進協議会が主催したもの。
当日は、自動運転の自動車・バスや次世代パーソナルモビリティなどを一堂に集め、公道でのレベル4の無人自動運転の実証実験など、様々な先進モビリティのデモや実証実験を実施(埼工大の開発車両は写真一番左のトヨタ・プリウス20型)。
スマートモビリティに関する最新の実装や開発の成果を一般来場者が体験できるイベントとなった。
出展したのは、自動運転技術やEVなどの開発・実証実験を展開している数多くの大学や企業。その中で、埼工大は「私立大学唯一、自動運転の公道実証実験車両」と題したブースを設置(下は試乗会スタッフ)。
会場内の専用周回コースにおいて、開発中の自動運転車両の試乗デモンストレーションを行い、100名以上の来場者が実際に車両へ乗り自動運転を体験した。
【参考動画】
埼玉工大デモ ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ2019/埼玉工業大学自動運転車公道実験YouTube公式チャンネルより
なお、同大学では、特に悪天候下における自動運転を可能とする技術の研究を行っている点に特長がある。
これは、同大学がある埼玉県深谷市は、冬場に「からっ風」とよばれる冷たく乾燥した風が吹き、砂風で視界が遮られることが多い地域であることからきている。
カメラやLiDARなどから周辺の道路情報を得て安全性を確認する自動運転車両では、視界が悪い状態では正確な情報がつかみにくい。
そのため、工学部情報システム学科の渡部大志教授が主導する同大学の研究開発では、AIによる画像処理技術を駆使し、砂嵐のノイズをキャンセリングし車両が自動運転する技術に優位性を持つ。
また、同大学はこれまで埼玉県深谷市内の公道における実証実験の実施や、国の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)に参画するなどで自動運転車を提供した実績を持つ。加えて、2018年には国内私立大学で初めて、自動運転技術の実証実験を産学連携で推進する埼工大発ベンチャー企業のフィールドオートも設立している。
同大学及びフィールドオートでは、今後も様々な自動運転に関連する活動を行う方針だ。