古河電工は10月28日、防食端子「α端子シリーズ」を用いてアルミ電線率75%を達成した、古河ASの「自動車シート用ワイヤハーネス(以下、W/H/※)」が、トヨタ紡織製の新型ランドクルーザー300用自動車シートに採用されたと発表した。
なお、アルミ電線採用の自動車シート用W/Hの搭載は、今回が初となる。
近年、自動車の機能増加による車重増加に伴い、部品メーカーには製品の軽量化が求められていると云う。
そのため、古河ASでは、車両のボディやフロア等に組付けられるW/Hのアルミ電線化を推進。自動車用シートに於いても、多くの機能追加により回路数が増大するW/Hの軽量化に向けて、アルミ電線化の開発を進めてきた。
そして今回、「α端子シリーズ」を用いた同社製のアルミ電線化W/Hが、8月発売の新型ランドクルーザー300に搭載されるトヨタ紡織製シートに採用された。
古河ASは、このシート用W/Hの152回路中115回路をアルミ電線化し(アルミ電線率75%)、質量を44%削減。新型ランドクルーザー300ではまた、ボディやフロア等に於いても、従来よりも高いアルミ電線率のW/Hが採用されている。
アルミ電線化には、アルミ電線と端子(銅合金)の異種金属間で良好な電気接続を確保するため、被水の可能性がある回路全ての端子接続部分への腐食対策を要するが、特に使用環境が厳しいシートでは、シートクリーナーや消臭刺・除菌剤等の溶液付着も想定した、より高い防食性能が求められると云う。
古河ASは、耐溶液性も含め優れた防食性能を有する「α端子シリーズ」をアルミ電線化する全ての回路に適用することで、自動車シート用W/Hのアルミ電線化を今回初めて実現。今後も、自動車シート用W/Hのアルミ電線化を加速し、車両の軽量化と環境性能向上に貢献していくとしている。
※複数の電線を束にした集合部品。電源供給や信号通信に用いられる。
■(古河AS)アルミ電線用防食端子(PDF):https://www.furukawaas.co.jp/wp-content/themes/furukawa/shared/pdf/alminumwiringharnesses.pdf
■(トヨタ紡織)トヨタ紡織、シート、ユニット部品などがトヨタ新型ランドクルーザーに採用(2021年9月30日リリース):https://www.toyota-boshoku.com/jp/news/post-5.html