古河電気工業と、グループ会社のカンザック(KANZACC)は1月25日、福井県工業技術センターと共同で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙探査イノベーションハブの「広域未踏峰探査技術:軽量かつ高強度な繊維電線の研究」に関する研究提案募集(RFP)に採択され、その研究を開始した。
JAXAでは現在、2020年代の後半に有人与圧ローバ(※)を月面に輸送し、有人探査する計画を検討。ローバに搭載される信号電線には、繊維電線の引っ張り並びに繰り返し曲げに強いという地上用途の特徴を生かし、従来のアルミ電線に比して半分程度の軽さ、かつ高強度で耐屈曲性を備えた宇宙用途にも適合しうる「繊維電線」の開発が求められていると云う。
繊維電線は、軽量かつ高強度な特殊繊維の表面に金属めっきを施すことで導電性を付与した「導電性繊維」を導体として用いた電線で、自動車やロボット・医療用電線等への適用も期待。研究では、カンザックと古河電工がこの繊維電線の材料および製造技術の研究を、また福井県工業技術センターが性能評価に取り組む。
古河電工は、グループが培ってきた素材力を核として、宇宙開発における技術革新に貢献するとしている。
<研究内容>
・軽量繊維電線の材料(母材、絶縁材)の研究。
・軽量繊維電線の製造技術の研究
・軽量繊維電線の性能評価
– 機械的性質、耐熱特性、耐震動特性の評価。
– 紫外線・宇宙線影響の評価。
– シールド周波数遮断特性の評価。
■(KANZACC)導電性繊維Flec:http://www.kanzacc.co.jp/kanzacc/flec.html