村田製作所は11月6日、主力事業であるセラミックコンデンサの開発・製造の技術力向上を目的として、生産子会社である福井村田製作所 が、越前たけふ駅前に新たな研究開発拠点「セラミックコンデンサ研究開発センター」を設立すると発表した。着工は11月。開業は2026年4月を予定していると云う。
新拠点では、研究開発に特化した最先端の環境を整備し、よりハイレベルな研究開発業務および技術者の育成を図るほか、他の事業所や協力会社とも連携することで、商品開発から量産に至るまで、生産プロセス全体におけるモノづくり力の強化を目指す。
[新R&D拠点について]
<コンセプト>
1.開発力の向上
研究開発用フロアを設け、新しい生産プロセスや商品を創造できる環境を整えると共に、地理的に近い野洲の原料・技術開発部門とも連携を行うことで、新商品の開発や新たな生産プロセス開発のスピードアップを実現。異なる価値観・考え方の人々が集まりやすく、コミュニケーションが取れる場を提供することで、イノベーションの創出を目指す。
2.技術者の育成
新入社員や若手社員、関連会社の技術者がモノづくりの基礎を学び、メカニズムを深く追求できる環境を整えることで、セラミックコンデンサのモノづくり力向上を目指す。
3.地域との共生
建屋外周の緑化をはじめ、周囲と調和した空間作りを進めていく。また施設見学やインターンシップでの活用、災害時や帰宅困難者発生時の受入対応も検討しており、地域に根ざした拠点を目指す。
4.環境への配慮
敷地内には、地域住民に開放された緑地の整備を計画。また、断熱性能の高い外壁やサッシの採用、設備や人の活動に連動する空調制御、照明制御、太陽光発電設備など、様々な省エネ・再エネ技術により“ZEB Oriented(※)”の達成を目指す。
※ZEB Oriented:延床面積10,000㎡以上の大規模な事務所・学校・工場などについて、国で定められた基準値に対し、40%の省エネを達成すること。
<概要>
– 名称:セラミックコンデンサ研究開発センター
– 建設予定地:福井県越前市大屋町
– 敷地面積:55,075㎡
– 延床面積:42,071㎡
– 規模:鉄骨造、地上5階
– 工事期間:着工2023年11月、竣工2026年1月(予定)
– 投資総額:約350億円(土地・建物費用)
– 従業員数:約800名(将来予定)
[福井ムラタ概要]
– 会社名:株式会社福井村田製作所
– 所在地:福井県越前市岡本町13号1番地
– 創業:1951年2月
– 資本金:3億円
– 代表者:代表取締役社長 野村 愼治
– 従業員数:5,512人(2023年11月1日時点)
– 事業内容:
セラミックスをベースとした電子部品(積層セラミックコンデンサ、ノイズ対策製品など)の開発・製造。