フォルシアは2月18日、中国最大の高圧タンクメーカーのひとつ、CLDの株式の過半数を取得したことを発表した。中国規制当局の承認が得られれば、取引は正式に成立となる。
両社は今後、中国市場向けに認可済み水素貯蔵タンク「タイプ3」および「タイプ4」の開発・製造を行っていく。瀋陽に本社を構えるCLDは、約200人の従業員を抱え、遼寧に年間3万個のタンクを製造できる工場を2か所保有している。同社はすでに、認可済み水素タンクをアジアの主要商用車・軽車両メーカーに納入するサプライヤーとしての地位を確立しており、業界でも有名な企業である。
フォルシアのクリーンモビリティ エグゼクティブバイスプレジデント、マチアス・ミドライヒのコメント
「フォルシアにとって、CLDこそ中国の水素モビリティを活性化していく上で相応しいパートナーです。中国は2030年までに、燃料電池自動車100万台以上の販売が見込める市場のひとつになるでしょう。当社の補完的技術と業界における専門知識を活用し、CLDの主導的地位のさらなる向上をめざします。」
CLD会長、ジャン・ジャン氏のコメント
「当社株式への出資により、世界有数の技術企業であるフォルシアと協働できることを心より嬉しく思います。フォルシアとCLD双方の強みを合わせれば、両社は中国の燃料電池タンクメーカーとして最大手になれると確信しています。」
水素モビリティが急拡大する中、フォルシアグループは現在ミシュランとの合弁会社であるシンビオを通じ、水素貯蔵システムや配送サービスの他、燃料電池システムの開発を行う独自の地位を確立している。その範囲は、水素システムのバリューチェーン全体の75%に及んでいる。フォルシアは、2030年までに、水素自動車市場規模は、年間生産台数最大250万台となると見込んでおり、水素モビリティ分野における世界的トップ企業となるべく、今後も継続して投資を強化していく方針だとしている。