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2024年6月3日【トピックス】

型式指定申請の不正、トヨタ等5社で確認(国交省発表)

NEXT MOBILITY編集部

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トヨタ+マツダ+ホンダ+スズキ+ヤマハ発動機・ロゴ

国土交通省は6月3日、型式指定申請に於ける不正の有無等について、自動車メーカー等に調査・報告を指示した結果、5月末時点で、自動車メーカー5社(トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキ)から〝不正行為があった〟との報告を受けたことを発表した。

 

事の経緯

国交省では、ダイハツ工業等の不正事案を踏まえ、型式指定を取得している自動車メーカー、装置メーカー等85社(※)に対し、型式指定申請に於ける不正行為の有無等について調査し、報告するよう指示。

 

その結果、5月末までに自動車メーカー計5社から、型式指定申請に於いて不正行為が行われていたとの報告があった。

 

同省は、これを受けて、「型式指定申請に於いて、不正行為を行うことは、ユーザーの信頼を損ない、かつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、新たな不正行為が明らかになったことは極めて遺憾である」との見解を示すと共に、道路運送車両法に基づいて、これら5社に対して更なる調査を実施し、その結果に基づいて厳正なる対処を行うこととした。

 

1.調査報告の結果(5月末時点)

■調査完了:68社

・不正行為なし:64社
・不正行為あり:4社(マツダ、ヤマハ発動機、本田技研工業、スズキ)

■調査継続中:17社

・現時点で判明した不正行為なし:16社
・現時点で判明した不正行為あり:1社(トヨタ自動車)

 

※型式指定を取得している他の自動車メーカー、装置メーカー等85社については、記事末尾の一覧を参照。

 

2.報告のあった不正行為の内容

(1)トヨタ(現時点で判明している不正行為)
・現行生産車3車種について、歩行者保護試験に於ける虚偽データの提出等。
・過去生産車4車種について、衝突試験に於ける試験車両の不正加工等。

 

(2)マツダ
・現行生産車2車種について、出力試験に於けるエンジン制御ソフトの書換え。
・過去生産車3車種について、衝突試験に於ける試験車両の不正加工。

 

(3)ヤマハ発動機
・現行生産車1車種について、騒音試験に於ける不適正な試験条件での実施。
・過去生産車2車種について、警音器試験に於ける試験成績書の虚偽記載。

 

(4)本田技研工業(ホンダ)
・過去生産車22車種について、騒音試験に於ける試験成績書の虚偽記載等。

 

(5)スズキ
・過去生産車1車種について、制動装置試験に於ける試験成績書の虚偽記載。

 

3.国土交通省の対応

(1)不正行為の報告があった5社への指示

・国交省が基準適合性を確認するまで、不正行為のあった車種の出荷を停止すること(※1)。
・最終的な調査結果を速やかに提出すること(※2)。
・ユーザー等への丁寧な説明や対応に努めること。

※1:現行生産車について不正行為の報告があった3社(トヨタ、マツダ、ヤマハ発動機)に対する指示。
※2:調査継続中のトヨタに対する指示。

 

(2)今後の対応

・不正行為の報告があった5社に立入検査を行い、不正行為の事実関係等の確認を行う。
・国土交通省および自動車技術総合機構に於いて、不正行為のあった車種の基準適合性を速やかに確認する。
・立入検査及び基準適合性の確認結果を踏まえ、道路運送車両法に基づき厳正に対処する。

 

型式指定を取得している他の自動車メーカー・装置メーカー等85社一覧

 

 

[各社の問い合わせ先]

■トヨタ

・お客様相談センター:0800-700-7700(9~18時)
・レクサスインフォメーションデスク:0800-500-5577(9~18時)
・トヨタ型式指定申請対応窓口:0120-678-203(9~18時)

■マツダ

・マツダコールセンター:0120-386-919(平日9~17時/土日祝9~12時・13~17時)

■ヤマハ発動機

・カスタマーコミュニケーションセンター:0120-090-819(9~12時・13~17時)

■ホンダ

・Hondaお客様相談センター:0120-112010(9~12時・13~17時)

■スズキ

・スズキお客様相談室:0120-402-253(9~12時・13~17時)

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。