国土交通省は6月3日、型式指定申請に於ける不正の有無等について、自動車メーカー等に調査・報告を指示した結果、5月末時点で、自動車メーカー5社(トヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機、ホンダ、スズキ)から〝不正行為があった〟との報告を受けたことを発表した。
事の経緯
国交省では、ダイハツ工業等の不正事案を踏まえ、型式指定を取得している自動車メーカー、装置メーカー等85社(※)に対し、型式指定申請に於ける不正行為の有無等について調査し、報告するよう指示。
その結果、5月末までに自動車メーカー計5社から、型式指定申請に於いて不正行為が行われていたとの報告があった。
同省は、これを受けて、「型式指定申請に於いて、不正行為を行うことは、ユーザーの信頼を損ない、かつ、自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、新たな不正行為が明らかになったことは極めて遺憾である」との見解を示すと共に、道路運送車両法に基づいて、これら5社に対して更なる調査を実施し、その結果に基づいて厳正なる対処を行うこととした。
1.調査報告の結果(5月末時点)
■調査完了:68社
・不正行為なし:64社
・不正行為あり:4社(マツダ、ヤマハ発動機、本田技研工業、スズキ)
■調査継続中:17社
・現時点で判明した不正行為なし:16社
・現時点で判明した不正行為あり:1社(トヨタ自動車)
※型式指定を取得している他の自動車メーカー、装置メーカー等85社については、記事末尾の一覧を参照。
2.報告のあった不正行為の内容
(1)トヨタ(現時点で判明している不正行為)
・現行生産車3車種について、歩行者保護試験に於ける虚偽データの提出等。
・過去生産車4車種について、衝突試験に於ける試験車両の不正加工等。
(2)マツダ
・現行生産車2車種について、出力試験に於けるエンジン制御ソフトの書換え。
・過去生産車3車種について、衝突試験に於ける試験車両の不正加工。
(3)ヤマハ発動機
・現行生産車1車種について、騒音試験に於ける不適正な試験条件での実施。
・過去生産車2車種について、警音器試験に於ける試験成績書の虚偽記載。
(4)本田技研工業(ホンダ)
・過去生産車22車種について、騒音試験に於ける試験成績書の虚偽記載等。
(5)スズキ
・過去生産車1車種について、制動装置試験に於ける試験成績書の虚偽記載。
3.国土交通省の対応
(1)不正行為の報告があった5社への指示
・国交省が基準適合性を確認するまで、不正行為のあった車種の出荷を停止すること(※1)。
・最終的な調査結果を速やかに提出すること(※2)。
・ユーザー等への丁寧な説明や対応に努めること。
※1:現行生産車について不正行為の報告があった3社(トヨタ、マツダ、ヤマハ発動機)に対する指示。
※2:調査継続中のトヨタに対する指示。
(2)今後の対応
・不正行為の報告があった5社に立入検査を行い、不正行為の事実関係等の確認を行う。
・国土交通省および自動車技術総合機構に於いて、不正行為のあった車種の基準適合性を速やかに確認する。
・立入検査及び基準適合性の確認結果を踏まえ、道路運送車両法に基づき厳正に対処する。
<型式指定を取得している他の自動車メーカー・装置メーカー等85社一覧>
[各社の問い合わせ先]
■トヨタ
・お客様相談センター:0800-700-7700(9~18時)
・レクサスインフォメーションデスク:0800-500-5577(9~18時)
・トヨタ型式指定申請対応窓口:0120-678-203(9~18時)
■マツダ
・マツダコールセンター:0120-386-919(平日9~17時/土日祝9~12時・13~17時)
■ヤマハ発動機
・カスタマーコミュニケーションセンター:0120-090-819(9~12時・13~17時)
■ホンダ
・Hondaお客様相談センター:0120-112010(9~12時・13~17時)
■スズキ
・スズキお客様相談室:0120-402-253(9~12時・13~17時)