豊田通商グループのエレクトロニクス商社、ネクスティ エレクトロニクスのグループ会社2社と、中国で自動車の国家基準(GB,GB-T※1)を唯一策定できる中国汽車技術研究中心(以下、CATARC)のグループ会社が、車載Ethernetテストサービスの提供を目的とした合弁会社を中国常州市に設立した。
CATARCグループとの合弁会社の設立は、日系グループ企業としては初となる。
[新会社概要]
<合弁会社名>
中国名:中汽研瑷睿赛安斯(常州)智能科技有限公司
英語名:CATARC AERI C&S (Changzhou) Intelligence Technology Co., Ltd.
<出資構成・比率>
1.CATARCのグループ会社(出資比率:50%)
– 会社名:中汽研(常州)汽車工程研究院有限公司(以下「CATARC AERI常州」)
– 本社、代表者:中国常州市、院長:高 継東
2.ネクスティ エレクトロニクスのグループ会社(出資比率 合計50%)
– 会社名:豊田通商先端電子(大連)有限公司(出資比率 25%、以下「ネクスティ大連」)
– 本社、代表者:中国大連市、董事長:伊藤 秀哉
– 会社名:C&S Group GmbH(出資比率 25%、以下「C&S」)
– 本社、代表者:ドイツ、Wolfenbuttel、President:David Bollati、Frank Fischer
[背景]
現在、自動車業界のトレンドであるCASEと呼ばれる、Connected(つながる)Autonomous(自動運転)Shared(共有)Electric(電動化)の領域における技術進化は著しく、新しい技術への迅速な対応が求められている。
その中で次世代車載通信分野においては、通信データの高速化・大容量化に対応可能な車載Ethernet(※2)の活用が期待されている。
特に車載市場の成長が著しい中国では、車載Ethernetの標準化及び規格適合テスト、認証スキームの構築が急務となっている。
[合弁会社設立の目的]
CATARCは、中国における自動車の国家基準(GB,GB-T)を策定出来る唯一の機関で、認証及び製品研究、開発、設計、検証も行っている。そのグループ会社のCATARC AERI常州は、豊富なテスト設備とエンジニアを有している。
ネクスティ エレクトロニクスでは、先進安全・自動運転など、カーエレクトロニクス分野のビジネスを展開。そのグループ会社であるネクスティ大連は、日系を中心としたOEM・Tier1に対する車載ソフトウェア開発/評価の実績を有している。
C&Sはネクスティ大連同様、ネクスティ エレクトロニクスのグループ会社で、欧州における車載通信の規格適合 テスト機関として、欧州を中心としたOEM・Tier1の車載通信テストやコンサルティングを行っており、車載通信及び適合テストのノウハウを有している。
合弁会社では、中国国内のOEM・Tier1に対して車載Ethernetテストサービスを提供し、CATARCグループと共に、車載Ethernetの規格策定から規格適合テスト、認証までのスキームを構築。中国における車載Ethernetの普及、次世代モビリティーの加速・促進に貢献していくとしている。
※1)GB,GB-T:中華人民共和国標準化法で定められた技術基準。強制的標準はGB、推奨的標準がGB-T。
※2)車載Ethernet:Ethernetは企業内ネットワークなどのLAN規格であり、それを車載向けに対応させたもの。
タイトル写真:(写真左)中国汽車技術研究中心汽車工程研究院・副院長の戎 辉氏、(写真中)C&S Group PresidentのDavid Bollati氏、(写真右)東アジア総代表、豊田通商(中国)・総経理の近藤 隆弘氏
[各会社について]
<豊田通商先端電子(大連)>
豊田通商先端電子(大連)有限公司は、拡大する車載ソフトウェア市場に向けてソフトウェア開発を提供。また、ソフトウェア評価も受託しており、主にe-Cockpit 領域(カーナビゲーション、メーター)の実機を使ったテストサービスを行っている。
■HP:http://www.dl.cn.nexty-ele.com/
<C&S Group>
C&S Group GmbHはEthernet、CANを始めとする車載通信において、主に欧州のOEM・Tier1に対し、規格適合テストやコンサルティングサービスを提供している。
<中汽研(常州)汽車工程研究院>
中汽研(常州)汽車工程研究院有限公司は、中国唯一の自動車における国家基準の策定機関であるCATARCグループのエンジニアリング会社と位置付けられており、エンジニアリングサービスの提供や規格策定・認証の支援を行っている。