DNP(大日本印刷株式会社)は11月13日、スマートフォンやタブレット端末、パソコン等の有機ELディスプレイを斜めから見た際に、画面が青みがかって見える現象「ブルーシフト」を改善する「ブルーシフト改善フィルム」を開発したと発表した。このフィルムをディスプレイに内蔵することによって、どの角度から画面を見ても青みを抑えることができる。
近年、スマートフォンやタブレット端末、パソコンやテレビ、デジタルサイネージ(電子看板)などで有機ELパネルの採用が拡がっている。また今後は、折りたたみが可能なフォルダブルスマホやカーナビゲーション・バックミラーなどの車載用に有機ELパネルの使用が拡がることで、ディスプレイを斜めから見るケースが増えると考えられる。有機ELパネルは、コントラストが高く応答速度が速いことが利点ではあるが、斜めから見ることで色が変化し青みを帯びるという課題があった。今後、テレビ画面の大型化、フォルダブルスマホや車載用ディスプレイなどの普及により、この課題解決に対するニーズがより強くなることが考えられる。こうした課題を背景に、DNPは、長年培ってきた微細賦型技術を活かし、端末をどの角度から見ても青みを帯びることがない「ブルーシフト改善フィルム」を開発。このフィルムをディスプレイに内蔵することで、有機ELパネルの構造を高度に調整する必要がなくなるため、低コストでパネルを斜めから見た時の青みを改善できるようになる。
DNPでは、「ブルーシフト改善フィルム」を主にパネルメーカー等に提供し、2023年度で年間30億円の売上を目指すとしている。
なお、12月2日(水)~4日(金)に幕張メッセで開催される「高機能フィルム展」のDNPブースで同製品が展示される予定。