高機能タクシー配車システム「Model2022-Type-A・Type-S」
デンソーテン( 本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:加藤之啓 )は12月26日、高機能タクシー配車システム を「Type-A」「Type-S」としてリニューアルした最新モデルを発売した。( 坂上 賢治 )
同社は、中島飛行機の創業にも参加した川西財閥が1920年( 大正9年・神戸市兵庫区で創業 )に飛行機・繊維機械の製造のために創立した川西機械製作所( 後に分離独立した川西航空機が現在の新明和工業へ発展 )が源流。
以降、神戸工業、富士通から富士通テンを経て、2017年にデンソーテンとなった。そうした経緯から今年2022年には創業102年を迎えている。
そのかつての川西機械製作所時代には、船舶&軍用無線機から通信機の真空管製造開発・製造を手掛けた。後の神戸工業時代の1955年には、トヨタの初代クラウン用オートラジオの納入開始により自動車産業に参入している。
通信装置に関しては1950年代のテレビ受像機、タクシー用無線機、南極観測船・宗谷のレーダー装置を皮切りに、1970年代には車載ミリ波レーダー、クルーズコントロール用機器を経て1983年にパーソナル無線機を発売。2003年にタクシー用デジタル無線機を世界初導入した。
今回は、タクシー用無線機を60年以上開発してきた自社ノウハウをベースに、元々のタクシー配車システムの機能充実に加えて、タブレットへのシステム対応を図った上で、事業導入の障壁を低めるべくサブスクリプション方式での提供も追加。結果、大幅な初期費用低減が可能になったと謳っている。
このサブスクリプション方式での提供開始は、中小規模の事業者からの希望もあって特にコロナ禍に於ける経営の効率化に応えたもの。製品は5年間の長期保証に対応。音声通話アプリは従来のトランシーバー方式に加え、低コストかつデータ配車に適した電話方式を新たに設定した。
搭載機能としては、タクシーアプリ「S.RIDE( エスライド )」に対応しているため、専用サーバーを設置して配車システムを構築する「オンプレミス型」以外に、専用サーバーを新たに設置することなく手軽にアプリ配車の導入する事も可能としている。これによりタクシーアプリ配車により都市部から地方への出張者や若年層など、今までとは異なる顧客開拓を可能とした。
音声通話方式にはトランシーバー方式に加え、電話方式も新たに設定。ニーズに合わせた通話方式の選択を可能とした。タブレット利用の場合は、簡単にLTE/4G通信が利用出来るため、常に最新データが利用出来る( 地図データは5年間無償で自動更新 )。
車両位置精度では、専用IF-BOX( インターフェイスボックス )で、外付GPSアンテナ+車速信号+ジャイロセンサー( オプション )による車両位置精度向上を図り、土地勘のない場所での送迎をサポートする。
加えてType-Sは、IVR( 音声自動応答:Interactive Voice Response )受付システムを一般回線(特別な電話番号を周知させる必要はない)でも可能にした自動配車システムとしており、急な豪雨などでオペレーター人員を上回る注文電話の着信があった場合も取りこぼしせず自動的にIVR受付システムで受付を行い、受注から配車迄を自動的に完了させるという。