デンソーは6月23日、Seurat Technologies Inc.(以下「Seurat」)に出資したと発表した。
Seuratは、金属用3Dプリンター(付加製造;Additive Manufacturing)を開発・販売する米国のスタートアップ企業。デンソーは、今回の出資により、3Dプリンターの実用化に向けた開発を加速するとしている。
金属用3Dプリンターは、粉末状の金属素材にレーザーを照射し、金属を溶かして固めることで、金属を加工し造形する装置。これまで造形が難しかった複雑な形状や異素材の加工を可能にし、製品の機能を最大化できる技術として、特に軽量化や高度な性能が求められる電動車両や空のモビリティの分野で活用が期待されている。また、金型が不要なことから、製品開発のリードタイム短縮や車両の修理・補修に使用される補給品の製造にも活用できる技術である。
Seuratは、造形速度を強みとしている。「エリアプリンティング」というレーザーを面で照射する技術により、品質を維持したまま、これまで課題になっていた金属加工を高速化することが可能。デンソーは、これまで製造現場で培ってきた量産技術を生かして、Seuratの技術開発を加速させ、金属用3Dプリンターの製造現場への導入を目指すとしている。
デンソー 執行幹部 生産技術センター長 仲 美雄
本出資により、デンソーはSeuratの持つ最先端の生産技術にアクセスすることができます。Seuratとの協業を通じて技術開発を加速させ、より環境に優しく安全なモビリティ社会を目指します。
Seurat Technologies CEO James DeMuth
デンソーの協力により我々の技術がさらに進化することを大変うれしく思います。大規模生産に必要なノウハウを熟知しているデンソーと連携し、エリアプリンティングの技術の事業化を加速します。
<Seuratの概要>
社名:Seurat Technologies Inc. (サラート テクノロジーズ)
会社設立年:2015年
所在地 米国ワシントン州
CEO:James DeMuth
事業内容:金属用3Dプリンターの開発・販売