デンソーとカナダのブラックベリー(BlackBerry)は、人と車の情報を相互伝達するインターフェースである複数のHMI製品(Human Machine Interface)を連携させる、統合コックピットシステム「Harmony Core」を共同開発した。
Harmony Coreは、ブラックベリーの仮想化技術である「QNXハイパーバイザー(QNX Hypervisor)」を、統合コックピットシステムに応用。QNXハイパーバイザーが車載されるのは、世界初となる。
なお、開発にはスバルも協力。同製品は、今秋から米国で販売されるスバル(SUBARU)新型レガシィ/アウトバック(米国仕様)に搭載される。
近年、カメラやセンサーを用いた高度運転支援機能や、スマートフォンと車を連携させたエンターテインメント機能などにより、車がドライバーに伝える情報量は格段に増えている。
そのため、車室内にはメーターやナビゲーションなど複数のHMI製品が搭載され、それぞれの特性に合わせた個別のソフト(OS)とマイクロコンピューターが必要とされている。
たとえば、安全性に関わる メーターの制御には高い信頼性を持つOSが必要とされ、スマートフォンとの連携やサーバーへの接続系アプリケーションには、高機能で汎用性の高いOSが求められる。
今回両社が新開発したHarmony Coreは、そらら特性の異なるOSで作動する複数のHMI製品を一つのマイクロコンピューターで制御、シームレスに連携させる。
[統合コックピットシステムの特徴]
・ブラックベリーの仮想化技術「QNX ハイパーバイザー」を車載HMIに応用し、世界で初めて車のコックピットに搭載。
・メーター、車載マルチメディア、ヘッドアップディスプレイ(Head-Up Display:HUD)等、複数のHMI製品が持つ、特性の異なる基本OSを、ハイパーバイザーによって一つのマイクロコンピューター上で動作。車両周辺や運転手の状況に応じて注意喚起や警告を分かりやすくディスプレイに表示する、音で知らせる等、製品同士の表示や音を調整することで、ドライバーの利便性を向上させる。
デンソーは、これまで様々なHMI製品を開発。これら製品開発で培った技術やノウハウを活用し、今後も、自動車の進化を支える製品技術開発に取り組んでいくとしている。