デンソーは、クアルコム(Qualcomm)子会社の「クアルコムテクノロジーズ(Qualcomm Technologies/本社:米国サンディエゴ)」と、次世代のコックピットシステム開発に向けた協業を行う。
近年、車両には、カメラやセンサーを用いた高度運転支援機能やエンターテイメント機能などが搭載され、ドライバーに伝えられる情報量が格段に増加。必要な情報を確実にドライバーに伝えるため、メーター、車載マルチメディア、ヘッドアップディスプレイ(*1)など複数のHMI(*2)製品を連携させ、車両周辺やドライバーの状況に応じて適切な表示や音を出す仕組みが求められている。
デンソーは、クアルコムテクノロジーズの通信技術やスマートフォン向けに開発された半導体、ソフトウエアなどの情報技術と、自社のHMI製品に関する車載要件、機能安全、品質、セキュリティ技術の知見を掛け合わせることで、次世代のコックピットシステムの開発を加速。
具体的には、統合コックピットシステム「Harmony Core(*3)」をベースに、次世代のコックピットシステムのアーキテクチャー(*4)を開発し、コネクティッドカーを想定した外部クラウドサービスやドライバーステータスモニターなど新たなHMI製品との連携、ドライバーと乗客の個人認証、ディスプレイの操作性向上などを可能にし、ユーザーの利便性向上を目指す。
デンソーは、この提携を通じ、これまでの製品開発で培った技術やノウハウを活用して、統合コックピットシステムや車載インフォテインメント製品におけるユーザーの利便性向上と、それを実現する車載ソリューション技術の開発に取り組んでいくとしている。
*1)ヘッドアップディスプレイ:フロントガラスにドライバー向けの情報を映し出す製品。
*2)HMI(Human Machine Interface):人と車両の情報を相互伝達するインターフェース。
*3)Harmony Core:特性の異なるOSで作動するHMI製品を一つのマイクロコンピューターで制御することで、HMI製品の連携を可能にする統合コックピットシステム。HMI製品の表示や音を調整を可能とし、ドライバーに注意喚起や警告をわかりやすく伝えることができる。
*4)アーキテクチャー:ソフトウエアやハードウエアの基本的な設計。