パテント・リザルトによる「自動車部品業界」の特許件数による他社牽制力ランキング
パテント・リザルトは7月7日、「自動車部品業界」の特許を対象に、2021年の特許審査過程に於いて他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計し「自動車部品業界・他社牽制力ランキング2021」をまとめた。
この集計は、直近の技術開発で競合他社が権利化する上で阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業を明らかにしたもの。その集計の結果、2021年に最も引用された企業は1位 デンソー、2位 アイシン、3位 日立Astemoとなった。
1位 デンソーの最も引用された特許は「受取人が不在の場合でも配達物の受け渡しを確実に行える車両用配達物受取装置」に関する技術で、トヨタ自動車などの計23件の審査過程で引用されている。
この他には「状況に応じて自在な場所に配車可能な自動配車システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、ヤマハ発動機などの計9件の拒絶理由として引用されている。
なお2021年に、デンソーの特許による影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(452件)で、次いで三菱電機(269件)となっている。2位 アイシンの最も引用された特許は「トランスミッション周囲の空間の広狭に関わらず搭載できる安価な電動オイルポンプ」に関する技術で、日本電産トーソクなどの計6件の審査過程で引用されている。
この他には「自動運転制御走行の為のより適切な推奨経路を探索できる経路探索システム」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日産自動車などの計5件の拒絶理由として引用されている。2021年に、アイシンの特許による影響を受けた件数が最も多い企業はトヨタ自動車(166件)、次いで本田技研工業(132件)となった。
3位 日立Astemoの最も引用された特許は「移動体の将来位置を高精度に予測することができる移動体軌道予測システム」に関する技術で、本田技研工業など計7件の審査過程において拒絶理由として引用されている。2021年に、日立Astemoの特許による影響を受けた件数が最も多い企業はデンソー(120件)で、次いでトヨタ自動車(88件)となっている。
4位 住友電装は「電力供給が遮断されても他の電装品システムは駆動する電力分配装置」、5位 矢崎総業は「キャップ本体からの発泡性のシール材の膨張圧力による洩れ出しを防止する電線端末用キャップ」が、最も引用された特許として挙げられている。
ちなみに同ランキングの集計対象は、日本特許庁に特許出願され2021年12月までに公開された全ての特許のうち、2021年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。
ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っている。2022年4月15日の時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性がある。なお業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類している。
詳細はパテント・リザルトの以下サイトへ
https://www.patentresult.co.jp/news/2022/07/fcitamp.html