デンソーは4月7日、工場からの二酸化炭素(CO₂)排出ゼロを目指して安城製作所・電動開発センター内に建設した「CO₂循環プラント」において、CO₂を回収して循環利用する実証実験を開始したと発表した。
デンソーは、昨年から「環境」「安心」分野での成長戦略の立案・実行と、環境変化に左右されない「引き締まった強靭な企業体質への転換」を同時に推進する変革プラン「Reborn(リボーン)21」を推進。その中で、「環境」分野においては、従来からの取り組みを加速させると共に、CO₂排出を2035年までに実質ゼロとする“カーボンニュートラル”を目指すことを宣言した。
そして今回、その実現に向け、「モノづくり」「モビリティ製品」「エネルギー利用」の3つの領域全体でCO₂排出ゼロを目指す本格的な取り組みを開始した。
豊田中央研究所と共同開発されたCO₂循環プラントは、主に工場で発生するCO₂を回収し、エネルギー源や他の材料に循環利用することを想定した設備で、機器の排気に含まれる水分を除去する「脱水器」、デンソーが得意とする自動車の排ガスを浄化する技術が活かされた「CO₂回収器」、回収したCO₂と合成する水素を生成する「水素発生装置」、機器に供給するメタンをCO₂と水素から合成する「メタン化反応器」等で構成。
ガスを使用する機器の排気から回収したCO₂と、再生可能エネルギー電力を用いて生成した水素から、メタンを合成してエネルギー源として再利用するプロセスを実証する。
デンソーは今後、この実証設備で構築したCO₂循環サイクルを、同社の生産設備だけではなく、世界中の様々なモノづくりの現場に導入し、製品や工場から排出されるCO₂の削減、大気中のCO₂の回収・再利用により、カーボンニュートラルな社会実現に向けた取り組みを加速するとしている。