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2022年1月6日【人事】

マレリの新CEOにデビッド・スランプ氏が就任

NEXT MOBILITY編集部

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国際投資会社“コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR:Kohlberg Kravis Roberts/本社:米国ニューヨーク州)”傘下で、世界的大手自動車関連サプライヤーのマレリ(MARELLI)は、1月6日、CEO兼社長の人事異動を発表した。

 

即日発効されるこの人事では、約4年に亘ってCEO兼社長を務めたベダ・ボルゼニウス(Beda Bolzenius)氏が退任し、その後任にデビッド・スランプ(David Slump)氏が就任する。

マレリ・ロゴ

スランプ氏は、90億ドル企業である“サムスン電子(Samsung Electronics)”の完全子会社で、コネクテッドカーシステムやオーディオ・ビジュアル製品、エンタープライズオートメーション・ソリューション、そしてIoT(Internet of Things:モノのインターネット)へのデジタルトランスフォーメーション(DX)のサポートサービスなど、自動車メーカーや消費者、企業向けのコネクテッドプロダクトおよび、ソリューションの設計とエンジニアリングを手掛ける「ハーマン・インターナショナル」からマレリに参加。その30年間のキャリアでは、ハーマンの他、ゼネラル・エレクトリック(GE:General Electric)、ランディス・ギア(LANDIS+GYR)、ABBなど、自動車とエネルギーの分野で上級管理職を担当。

 

ハーマンでは15年近くに亘って、グローバル・マーケット担当社長などの要職を歴任。初期に於いては戦略とM&Aをリードし、その後、現在30億ドル規模にまで成長したコンシューマーオーディオ事業を担当。そして調達、サプライチェーン・マネジメント、品質、生産を統括するオペレーション担当EVPを務めたのち、中国、インド、日本、韓国、ロシア、中南米に於けるハーマンの全事業の損益を担ったほか、ソフトウェア・サービス部門のグローバルのリーダーも兼任した。

 

 

新CEOのデビッド・スランプ氏(左)と元CEOのベダ・ボルゼニウス氏(右)。

新CEOのデビッド・スランプ氏(左)と元CEOのベダ・ボルゼニウス氏(右)。

 

 

[CEO交代にあたってのコメント]

 

・KKRのパートナー&マレリ・エグゼクティブチェアマン ディニッシュ・パリワル(Dinesh Paliwal)氏

 

「CEO在職中のベダのマレリへの献身に感謝したいと思います。彼は、業界にとって非常に困難な時期に同社をリードしてきました。ベダは、顧客基盤の多様化、コスト競争力の向上、重要技術への投資、中国市場での成長戦略などを通じて、業界におけるマレリの地位を強化するビジョンを策定し、その導入をスタートさせました。彼の退任に際して、その貢献に対し深く感謝するとともに、今後の活躍を祈念したいと思います。
 マレリは、自動車業界で高評価を受けているブランドであり、オートモーティブ・ライティング、センシング技術(ライダー(LiDAR)、レーダー、カメラ)でのリーディング企業であると共に、電動化、パワートレイン、インテリア、エレクトロニクスおよびソフトウェアソリューションでも急成長していることで知られています。
 今後のチャンスを活用するため、マレリはイノベーション、顧客重視、コストベースをさらに加速させる必要があります。粘り強く協調的、かつスピード感に優れたデビッドは、マレリを次の段階へと進化させるのにふさわしい人物となります。この業界とマレリの事業地域で深い経験を有する彼は、戦略的な思考に基づいて、迅速な意思決定とその実施を行うことができ、その能力は、今日のマレリにとって不可欠であり最適なコンビネーションとなるものです」。

 

・元CEO ベダ・ボルゼニウス氏

 

「自身の熟考を重ね家族と話し合い、マレリのエグゼクティブ・チェアマンであるディニッシュ・パリワルの支持と理解を得て、私はマレリのCEOを辞任する時が来たと判断しました。過去4年間に多くの分野に携わってきましたが、カルソニックカンセイとマニエッティ・マレリを統合し、世界をリードする新たなサプライヤーを作り上げたことを非常に誇りに思います。
 私はディニッシュとデビッドがマレリを次のステージに進めるためにふさわしいチームであると確信しています。マレリ在職時にいただいた世界中すべての従業員からの献身とコミットメントに深く感謝したいと思います」。

 

・新CEO デビッド・スランプ氏。

 

「マレリに入社し、実績あるリーダーであるディニッシュ・パリワルやマレリのリーダーシップチームと共に働けることを大変うれしく思います。
 この業界は、厳しい構造的課題の影響を受け続けていますが、私はマレリとその顧客にとって非常に大きなチャンスがあると信じています。これから組織を作り強化していく中で、すべてのステークホルダーの皆さまに誇りを持っていただけるよう、全力を尽くしてまいります。
 私は、当社のコスト競争力をさらに高め、より合理的なものとし、モビリティと電動化の未来に向けてさらに注力するために、すでに導入されている戦略を確信しており、次のページを刻むために従業員とともに働けることに興奮しています」。

 

 

■マレリ:https://www.marelli.com/jp/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。