ダイセルは、有機半導体デバイスの開発、製造、販売を行う「パイクリスタル」の発行株式を取得し、子会社化した。
パイクリスタルは、有機半導体単結晶の成膜技術を独自開発し、その技術を核として、フィルム状でフレキシブルかつ薄型の有機半導体デバイスを開発・製造・販売する2013年設立の東京大学発のベンチャー企業。
実用レベルの有機半導体CMOS回路の作成に初めて成功し、アクティブマトリックス駆動用のTFT回路、センサー付きRFIDタグを開発している。
ダイセルは、印刷技術を用いて電子回路やデバイスを形成する「プリンテッド・エレクトロニス」を注力分野の一つと定め、銀ナノインクや積層セラミックコンデンサ(MLCC)用溶剤、有機半導体インクなどを開発。各社との協業により、事業の拡大を図ってきた。
パイクリスタルの設立以来、両社は、ダイセルの開発した材料や製品を、パイクリスタルの有機半導体デバイスに活用するための共同開発を推進。2018年6月には、パイクリスタルへ出資し、協業関係を深めるとともに、有機半導体デバイスの量産について検討してきた。
今回のパイクリスタル子会社化に伴い、ダイセルは、AI/IoTの急速な成長に対応すべく、同社の材料開発力・生産技術とパイクリスタルの最先端技術を融合し、有機半導体デバイス(集積回路、センサー)の量産体制を整え、事業化を加速。同事業をプラットフォーム化し、センシングビジネスへ事業領域を拡大する。
また、有機半導体デバイスの開発・マーケティング活動を加速し、新たなソリューションを提案していくとしている。
[パイクリスタルの概要]
– 会社名:パイクリスタル株式会社
– 代表取締役:伊藤 陽介
– 本社:千葉県柏市柏の葉5丁目4番19号 東大柏ベンチャープラザ104
– 設立:2013年
– 資本金:1億円(2020年1月14日現在)
– 事業内容:有機半導体デバイスの開発、製造、販売
■パイクリスタル:http://pi-crystal.com