コーンズテクノロジーは6月8日、公共交通機関の自動運転領域で躍進を遂げている企業の 1 つである米国のADASTECが世界初のレベル 4、フルサイズ、フルスピードの自動運転バスプラットフォームである「flowride.ai」をデビューさせたというニュースとともに、同プラットフォームに、コーンズテクノロジーが代理店を務めるTeledyne FLIR(テレダイン・フリア)社製カメラが搭載されたと伝えた。
自動運転プラットフォーム『flowride.ai』は、24 時間年中無休で稼働するように設計されており、絶えず変化する気象条件に対応するため、Teledyne FLIR社製のサーマルカメラが採用されたという。
サーマルカメラは、他の一連のセンサーモダリティと組み合わせることで、周辺の車両やその他の一般道上や都市の物体によって部分的に遮られている歩行者を簡単に区別して分類するなど、他の車両、自転車、歩行者が同じ道路を共有する混合交通環境向けの安全な自動運転車システムを確立させるとしている。
サーマルカメラは赤外線エネルギーを検出するため、夜間にはヘッドライトよりも最大 4 倍遠くまで見られるとのこと。サーマルカメラの熱感知は、夜間、日陰、夕暮れ、日の出、直射日光やヘッドライトのまぶしさなどで視認性が低くコントラストの高い条件など、他のセンサー技術では困難になる可能性がある運転状況において優れた性能を発揮する。パッシブセンシングモダリティであるサーマルカメラは LIDAR やレーダーなどの他のアクティブセンサーの影響を受けたり、イメージングできなくなったりすることがなく、霧、煙、ほこりなどの厳しい気象条件において効果的とされている。
ADASTECでは、道路上とその付近、バス停でのすべての道路利用弱者の検出と安全性の向上に焦点を当てたサーマルカメラを統合している。
◾️flowride.ai とのサーマルカメラの統合
自動運転プラットフォーム『flowride.ai』は 2式の Teledyne FLIR社製サーマルカメラを搭載している。1 つはバスの前方に配置されて前方をスキャンし、2つ目のカメラはバスの右側の後部に取り付けられ、横方向をスキャンする。 この配置は、歩行者、自転車、さらにはバスの経路に向かって移動する動物、特にバス停近くや横断歩道の近くに立っている歩行者を検出するために不可欠だ。サーマルセンサーのデータは、RGB (可視)カメラ、LiDAR、超音波センサー、レーダーからのデータと融合され、さまざまな条件での環境を把握して最も適切な意思決定と安全な動作を行うための冗長性と柔軟性を提供するとのことだ。
なお、 ADASTECでは、トルコに拠点を置く商用車メーカーであるKarsanと提携し、自動運転プラットフォーム『flowride.ai』を全長8 メートルの電気バス『ATAK』に統合。現在、自動運転バスはルーマニアとトルコでいくつかのプロジェクト向けに配備されている。 2021 年に予定されているプロジェクトの一環として、米国とヨーロッパへ展開を拡大する計画も進んでいる。