トヨタ紡織とアイシン、シロキ工業の3社は6月29日、アイシングループのシート骨格機構部品の主たる国内生産拠点であるシロキ工業の名古屋工場を、トヨタ紡織に譲渡・生産を移管することで合意し、生産移管契約を締結したと発表した。
なお、生産の移管は、シロキ工業が名古屋工場を新会社として分社化し、分社化された会社をトヨタ紡織の子会社にする形で進める。また移管は、各国の競争法に基づき必要な手続及び対応が完了することが条件となる。
3社はまた、同日、シロキ工業のスズキとダイハツ工業、マツダ向け自動車用シート骨格機構部品の商権(※1)のトヨタ紡織への譲渡に関し、競争法に基づく事前届出、審査完了についても発表。さらに、トヨタ紡織の自動車用シート事業のグローバルでの更なる競争力強化を目的に、シロキ工業のいすゞ自動車、スバル(SUBARU)、日産自動車、日野自動車、本田技研工業(ホンダ)、三菱自動車工業向け自動車用シート骨格機構部品の商権をトヨタ紡織に譲渡についても検討を開始したことを発表した。
トヨタ紡織は、内装システムサプライヤーとしての”ホーム(※2)” となるため、2015年からトヨタ自動車向けシート骨格機構部品の開発・生産機能の同社への移管を推進。今回の合意により、トヨタ以外の顧客への営業・開発・生産機能を順次移管し、更なる競争力強化を進め、インテリアスペースクリエイターとして、新たな企業価値の創造ができる車室空間のソリューションカンパニーを目指すとしている。
一方、アイシンは、自動車業界の大変革に対応した事業構造のフルモデルチェンジを目指し、車体事業に於いてはリソーセスを集中投入し、パワースライドドア等を中心とするシステム商品を開発。シロキ工業は、ものづくりの力を生かして、新商品をスピーディに提供する体制で市場拡大を目指していくと云う。
※1)商権:売買契約上の地位のこと。
※2)ホーム:「現地現物」で、自分たちで付加価値をつけることができ、競合と比較しても競争力で勝っている事業や地域のこと。
<分社化後にトヨタ紡織の子会社となる会社の概要>
– 会社名:トヨタ紡織広瀬株式会社
– 所在地:愛知県豊田市西広瀬町小麦生635-26
– 代表者:未定
– 資本金:4億円
– 株式取得日:2023年4月1日(予定)
– 面積:敷地61,434㎡、建物34,359㎡
– 生産品目:シートリクライナ・シートスライドなど。
– 従業員:約900名(2023年4月1日/予定)
■シロキ工業:https://www.shiroki.co.jp/