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2022年11月16日【テクノロジー】

コンチネンタル、先進運転支援の第5段階研究を終える

坂上 賢治

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ダルムシュタット工科大学、ブレーメン大学、ルーマニアのヤシ工科大学と第5段階研究成果を発表

 

コンチネンタル・オートモーティブの日本法人は11月16日、ドイツ本国に於ける学際的研究プロジェクト「PRORETA」の第5段階が、生産段階にまで進展している状況を日本に於いても発表した。( 坂上 賢治 )

 

なおこの発表内容は既にドイツ本国では10月19日時点で公表されているのもので、 今回はそれに遅れての公表となったもの。

 

この学際的研究プロジェクトは、2002年~2006年に行われた〝自動ブレーキと回避による事故防止のための危機回避の検討〟であったPRORETA1が皮切りで、この際の研究テーマは「ドライバーはシステムの介入を受け入れるか?」であった。

 

その次段階は、追い越し運転支援システム研究のPRORETA2( 2006年~2009年 )、更に都市交通向けの運転支援システムがテーマとなったPRORETA3( 2011年〜2014年 )。

 

 

運転者が通常どのように反応するのかをインテリジェントに学習するべく車載システムを研究するためのPRORETA4( 2015年~2018年 )を経て、最新の自動運転のための人工知能手法を検討するPRORETA5に漕ぎ着けたもの。

 

ここまでの20年の研究協力を経てコンチネンタルは、そのプロジェクト結果をダルムシュタット工科大学、ブレーメン大学( ともにドイツ )、ルーマニアのヤシ工科大学と共に発表した。

 

コンチネンタルでは「過去のPRORETAプロジェクトで得た研究成果の多くは、既に生産段階にまで発展しています。

 

例えば、緊急ブレーキアシストや高速道路での自動運転などは現代の自動車に取り入れられています。これは産業界と研究セクターの連携が、事故回避、ドライバーの負荷軽減、自律走行の実現を支えるソリューション開発に役立つ事を示しています。

 

それを踏まえ最新のPRORETA5研究プロジェクト( 2019年~2022年  )では、自動運転のための人工知能手法検討を目的に据え「都​市交通の安全性を高める、市街地の自動走行のための構成要素」をテーマに、都市交通に於ける自動運転車両の状況の理解と移動計画に焦点を当てました。

 

ここでは特に自動運転にとって最も要求の厳しいタスクの1つである〝市街地の複雑な交通状況の認識〟と、その状況下でアルゴリズムが適切な運転判断をセンサーデータから導き出して行く方法について研究しました。

 

例えば、信号のない交差点では人間の介入なしに、進行方向、意図、優先順位の観点で全ての変数を正しく解釈する事が困難な場合があります。そこで、これを解決するためにプロジェクトの一環として人口知能用の新しいモジュールを開発しました。

 

具体的には、コンチネンタルがセンサーと高性能コンピューター( HPC )を搭載した車両を使用し、研究者が自動運転システムの機能と検証方法を実際の条件下で直接テストを行いました。

 

その手順と研究開発の事項には、オブジェクトの動的行動のマルチモーダル予測、交通規則への適合性とそのテスト、AIモジュールの不安全な動作を検出するためのロジックベースのテストを含みます。

 

これら計5つのPRORETAプロジェクトで、多くの研究者が開発を継続し、その研究成果を具体的なソリューション、例えば高速道路上での自動運転や自動緊急ブレーキアシストに組み込んで道路交通に取り入れる事を目指して来ました」と本レボートで綴っている。

 

また同社の自律モビリティ部門で無人運転イノベーション分野の責任者を務めるアンドレ・ホーム氏(Andree Hohm)は「PRORETAでの研究は、産業界の知見と大学の研究能力を融合し、要求の厳しい問題の解決策を若い科学者と一緒に見つけるために行われました。そんな共同開発で最も注目して頂きたい点は次のようなものがあります。

 

それは研究で得られた成果をもとに車両に実際に適用させるための基礎を築いた事。また私たちが初期のプロジェクトで開発したものの数々は、現在、道路交通で実際に目にする事が出来ている事です。こうして私たちは日々道路の安全を守り続けているのです」と話している。

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

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1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

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1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

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日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

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(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

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1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。