ドイツのコンチネンタル(Continental AG)の取締役会会長を11年以上務めたエルマー=デゲンハート氏(Dr.ElmarDegenhart/61)が、健康上必要な予防医療のため、今年11月30日を以て早期辞任(契約は2024年8月11日迄)する意向を監査役会に通知した。
これを受け、監査役会会長のウォルフガング=ライツェル氏は、同件に関して間もなく監査役会を招集し、後継者を決定すると発表した。
工学博士でもあるデゲンハート氏は、2009年8月12日から同社の取締役会を務め、現在3期目。コンチネンタルの組織グループコミュニケーション、コンチネンタルグループ企業戦略、総合製品サービス品質管理および、スタートアッププログラムを直接担当。今回の辞任の理由を、次のように説明している。
「これまで私はコンチネンタルのために多くの努力を費やしてきましたが、昨今、自身の健康のための医療予防措置を直ちに最優先せざるを得ないことを知りました。
これまで私はコンチネンタルの今後の組織再編成、収益性の高い成長戦略とその実現にプログラムに心血を注いでまいりました。そして、この戦略が与えてくれるコンチネンタルのこれからの大きな成果と成功を心から楽しみにしていました。
とりわけ厳しい環境下において、経営上最も難しいいくつかの案件の決定を下し、コンチネンタルの未来を決める重要な企業戦略を整えたばかりだからです。
しかしながら、このたび私個人の健康上の状況を考慮したうえで、治療に専念することにいたしました」。
また、同社の成長の軌跡を次のように振り返っている。
「コンチネンタルの経営の陣頭指揮を執り、その再生戦略と現在に至る収益性の高い成長をリードできたことは、私個人にとって大きな喜びと名誉です。
就任以来11年にわたりお客様から寄せていただいた大きな信頼、株主、監査役会、取締役会の仲間、私の直下のチーム、グローバルコンチネンタルチームからの多大なご支援に心から感謝するとともに、コンチネンタル全社員の、成功に向けた真摯なコミットメント、素晴らしい数々の業績に感謝いたします。
コンチネンタルは、これからもその独自の企業価値とネットワークカルチャーをもとに、新しい企業戦略によって将来大きな成功と成長にまい進することができると確信しています」。
長期に渡るデゲンハート氏の業績や功績について、監査役会メンバーを代表し、会長のヴォルフガング=ライツェル氏は、“模範的なリーダーシップ、優れた実績”と称賛し、以下のように述べている。
「私たちは皆、このたびのデゲンハート氏の辞任の決断を心から残念に思います。しかしながら、今回の辞任決断となった経緯と背景を十分理解したうえで、彼の個人的な要望を尊重したいと思います。
2009年8月にコンチネンタルのCEOに就任以来、デゲンハート氏とマネジメントチームは、当時危機的な環境にあった会社を強い指導力のもと成長軌道へと導き、再上場およびDAX30指定銘柄と今日の業界全体でのトップへと復活させました。
彼の優れたリーダーシップの下で、コンチネンタルが当時有していた負債は通常レベルまで大幅に削減され、同時に自己資本は強化され、以前の高い投資適格格付けは完全に回復したのです。
リーダーとして、そして人として、デゲンハート氏自身は、彼が常に唱えていた“価値を作ること、それ自体がまた新しい価値を生み出す”というリーダーシップ原則の規範と言えるでしょう。
彼の成し遂げた輝かしい実績は、多くのステークホルダーからの称賛に十分に値するものです。デゲンハート氏が創った、体系立てられた高度に洗練された組織と、そこに永続的な命を与える企業文化を強化しつづけたことにより、コンチネンタルはさらなる収益性の高い成長と実現性の高い重要な組織基盤を築きあげたのです」。
また、今後の後継者指名について、「CEO後継者指名にあたって監査役会が最も重視することは、これまでの取り組みを継続し、コンチネンタルが今後タイヤメーカーと自動車サプライヤーから、引き続き先駆的なテクノロジーとソフトウェアモビリティ企業へとトランスフォーメーションするためのシームレスなプロセスを実行継続するという点にあります」と、コメントしている。