マクニカは11月10日、ディジタルメディアプロフェッショナル(以下「DMP」)と協業すると発表した。
今後、低速モビリティ向けの自動・自律運転や安全運転支援分野において、両社が保有する技術力、営業力、ノウハウを掛け合わせることでソリューションを構築し、少子高齢化や人口減といった日本の社会課題の解決に向けて協業を行っていく。
■協業の背景
少子高齢化による様々な問題は、高齢者の移動や搬送・作業者の不足等を代表とした大きな社会課題であり、日々我々の実社会で確実に広がりつつある。同時に、5G(第5世代移動通信システム)の普及やモビリティ革命が社会・産業構造にパラダイムシフトをもたらしている。CASEやMaaSの取り組みは自動車産業だけでなく、公共交通サービス、シェアリングビジネス、配車サービスを巻き込み、近未来のまちづくりにも影響を与えている。また、建設業、農業など様々な分野においても省人化および自動化を伴うDX化が急速に進められている。そうした中、UGV、AGV、AMRに代表されるAIとロボティクス技術を組み合わせた自動化・自律化への期待と需要が急激に高まっている。
こうした社会・産業構造変化に対応すべく、両社は、DMPが保有するAIを活用した自律運転技術及び安全運転支援技術と、マクニカが保有するセンサー、AI半導体並びにデータ収集含めた実証実験のノウハウや運営力、営業力を組み合わせ、特に低速度領域における自動・自律運転のハードウエア・ソフトウエアのプラットフォームの構築・提供を目指す。
■協業の概要
自動・自律運転や先進安全運転支援の開発には、それぞれの用途、例えば掃除ロボット、各種搬送車、セニアカー、建設用機器、農機等、走行する目的、場所、ルートや環境等に応じた自動・自律走行や安全運転支援機能の開発が必要。また、自動・自律運転や先進安全運転支援のシステム構築には、各種センサー、高性能なAI半導体及びAIソフトウエアを組み合わせることが必要となる。
そこで、両社は、マクニカが提供する高性能AI半導体、ステレオカメラやLiDARセンサー等の各種センサーとデータプラットフォーム、DMPが開発・提供する自動・自律運転向けソフトウエア「ZIATM MOVE」や安全運転支援ソフトウエア「ZIATM SAFE」を組み合わせることで、垂直統合型の開発プラットフォーム環境を実現。それにより、様々な用途、目的に応じた自動・自律運転や先進安全運転支援における開発プロジェクトの開発工数を低減し、促進・支援する最適なソリューションを提供する。
今後両社では、屋内外で低速に走行する車両分野として、倉庫内搬送、農機、建設・ゼネコン、セニアカー等に幅広く提供していく。