富士通とトレンドマイクロは10月13日、自動車関連メーカーに向けた、コネクテッドカーのセキュリティ対策強化を目指した協業に合意したと発表した。
現在、自動車業界では、「自動車基準調和世界フォーラム(WP.29)」の分科会の一つである「自動運転」(GRVA:Groupe de Rapporteurs Vehicle Automation)で成立した、サイバーセキュリティ法規に基づくCSMS(Cyber Security Management System)への適用が求められている。その中で、自動運転を実現するために、自動車内外を問わず、脅威情報の収集や監視、分析などが実現できる体制の必要性についても記載されており、世界各国の自動車メーカーはその対策を迫られている。
このような背景に対応するため、富士通とトレンドマイクロは、車両の動作情報とクラウドインフラに対するサイバー攻撃の情報を統合的に検知・分析するコネクテッドカー向けの新たなセキュリティサービス提供に向けた協業に合意した。
この協業では、富士通が提供するコネクテッドカー向けセキュリティ対策ソリューションV-SOC(Vehicle-Security Operation Center)サービス(以下「V-SOC」)と、トレンドマイクロのクラウド向けセキュリティソリューション「Trend Micro Cloud One」を連携させ、アクセルやブレーキの動作不良など車両の異常に関する情報と、車両と通信するサーバに対する検知・防御ログなどのクラウドインフラのセキュリティログを統合し、検知・分析する新たなセキュリティサービスを2022年1月より日本をはじめとして欧米やAPAC(アジア太平洋)地域などグローバルに提供することを目指す。
これにより、コネクテッドカーで発生したアラートの把握に加え、攻撃者に狙われやすいクラウドインフラを起点とした脅威を検知し、脅威の侵入箇所や影響範囲の特定、対処が必要なポイントへの適切な対策を講じることが可能となり、自動車関連メーカーのコネクテッドカー向けセキュリティ対策を強力に支援する。
さらに、両社は、2022年以降、クラウドインフラ領域に加えて、車両自体へのサイバー攻撃のセキュリティ対策強化にも取り組んでいく予定だとしている。