中央発條は11月29日、自動車部品の製造・販売を手掛けるインドの〝Suprajit Engineering(スプラジット・エンジニアリング・リミテッド)〟(以下、SEL社)と、合弁会社の設立に向けた協議を開始したことを発表した。同社のインドに於ける合弁会社は、自動車用精密ばねを生産する「SSS Chuhatsu Precision Sprig」(今年9月に新設)に続いて2社目になると云う。
1.合弁会社設立の目的と背景
インドでは豊富な人口と消費の高度化を背景に高い経済成長が続いていることから、現在、日系自動車メーカー各社では、相次いで新工場建設・増産を計画していると云う。
インドでのビジネス拡大は、中央発條に於いても〝グローバルサウス戦略〟として重要な位置付けにあることから、同社は今回、インドでの生産品目の拡充と販売活動の強化を目的に、同国内を中心に自動車用コントロールケーブル等自動車部品の製造・販売を手掛けるSEL社と、合弁企業設立に向けた協議を開始。来年12月の事業開始を目指して具体的な内容について協議を進めていく。
新会社では、自動車用コントロールケーブルの開発・生産の技術を持つ同社と、インド国内でコントロールケーブルの生産設備を有し、更なる販路拡大を目指すSEL社との共同出資会社として、インドに於ける生産や販売拡大、材料等の現地調達による原価低減に取り組み、更なる収益力向上を図っていくと云う。
2.設立予定の合弁会社の概要(予定)
– 商号:Suprajit Chuhatsu Control Systems Private Limited
– 所在地:バンガロール近郊
– 事業内容:インド国内での自動車用コントロールケーブルの製造・販売
– 出資比率:中央発條 50%:SEL社 50%
– 設立年月:2025年12月
※代表者は、今後両社の協議により決定する予定であるが、中央発條が指名する。
3.共同出資者の概要
– 商号 Suprajit Engineering Limited
– 本社所在地 Plot No.100 & 101, Bommasandra Industrial Area,
Bengaluru 560099 India.
– 代表者 Kula Ajith Kumar Rai
– 事業内容:自動車用コントロールケーブルやスピードケーブル、オートランプ等の自動車部品の製造・販売。
– 設立年:1985 年
– 従業員数:1,823 名
– 製造拠点:インド国内工場(カルナタカ州ベンガルール、マハラシュトラ州プネー、グジャラート州、ハリヤナ州、ラジャスタン州、ウッタラーカンド州、タミル ナドゥ州)および、海外工場(北米、欧州、中国)を多数保有するグローバルケーブルメーカー。
– 備考:インド国内株式市場の上場企業
4.業績への影響
中央発條は、今回の件が同社の2025年3月期業績見通しに与える影響は軽微であるとし、また今後公表すべき事項が発生した場合には、速やかに開示するとしている。