中国のセンスタイムは、第4回AI・人工知能EXPO(4月1日〜4月3日・東京ビッグサイト)に出展し、顔認識AIを活用したドライバーモニターシステムを公開した。
2014年に設立されたセンスタイムは、中国の香港中文大学が母体のAIスタートアップ企業。特に、画像認識に関し豊富で先進的な技術を持ち、2016年には日本法人センスタイムジャパンを設立し国内にも進出。
2017年からは、本田技研工業と共同で自動運転技術の研究開発も手掛けている新進気鋭の企業だ。
今回、同社が展示したドライバーモニターシステムは、車のステアリング奥に設置したカメラでドライバーの顔を映し、その画像データをAIが顔認証することで、ドライバーの脇見運転や疲労度などを検知し、警告を促すなどで安全運転の支援を行うというものだ。
同社ブースに展示されたデモ機では、実際にドライバーの状態をカメラが捉えアラートを出すシステムを公開した。
通常の前方を向いて運転している状態から
ドライバーが脇見したり、
携帯電話を使った時、
飲み物を飲むなど、
ドライバーが運転に集中できない状態になるとアラートが出るようになっている。
また、このシステムを応用すれば、ドライバーのジェスチャーを検知することも可能。
例えば、手のひらを開いたり、握ったり、
出す指の本数を変えるなどで、
エアコンの温度調整やウインドウの開閉、音楽のセレクトなど、車内の様々な制御を簡単に行うことができる。
同社では、当システムで使用するカメラは、比較的安価な汎用品でも十分機能するため、コスト面でもメリットがあるという。
また、将来的には、この技術をドライバーの顔認証システムにまで進歩させ、予め登録したドライバーのみがドアロックを開けたり、エンジン始動ができるシステムの開発も目指している。
顔認証では、なりすまし等の問題もあるが、同社の技術ではすでにそれら課題の多くを解決済みであるとし、実用化に向けた研究が勧められている。