世界的なコンサルタント企業のキャップジェミニは、本拠地のパリで4月30日、世界の自動車企業に対しスマートファクトリーの導入に関する調査を実施。スマートファクトリーの導入で、「2023年までに年間1600億ドル(約17.46億円)の生産性向上を実現できる」という予測を発表した(日本での発表は5月2日)。
スマートファクトリーとは、ドイツのインダストリー4.0に代表されるICTを駆使した製造工場のこと。人工知能、モノのインターネット、拡張現実などの技術と、製造工場の生産性、品質、柔軟性の向上に役立つさまざまなコンポーネントを使用して、生産過程全体にわたってデジタル技術を活用するものだ。
今回の調査は、2017年2月から2018年1月にかけて、世界8カ国(中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、スウェーデン、英国、米国)の企業で自動車セクターに所属するシニアエグゼクティブ326名に対して実施。
調査サンプルは、年間収益10億ドル(約1100億円)以上のOEMと自動車サプライヤー(部品メーカー)に均等に配布している。
同社のレポートでは、平均収益1580億ドル(約17兆円)、営業利益率6%超の世界トップ10の自動車メーカーは、スマートファクトリーを最大限に導入して5年以内に、年間46億ドル(約5019億円)または50%の営業利益の増加が期待できると予測。
また、2022年末までに自動車関連企業が持つ自社工場の24%がスマートファクトリーとなっていることや、2023年時点で自動車セクター内のスマートファクトリーの平均生産性成長率は7%になることも予測している。
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