ブリヂストン傘下のブリヂストン・アメリカス・インク9月26日、自らが先の事業方針で宣言していたリトレッド事業の成長を加速化させるべく、トラック・バス用タイヤのリトレッド( 消耗したトレッド面を貼り替えるためのゴム表層 )用部材を生産する米国アビレーン工場の生産能力の増強を決めた。( 坂上 賢治 )
総投資金額は60百万米ドル( 約84億円規模 )。これに係る生産スペースの拡張と設備の増設は2025年1月迄に完了する見込み。計画が滞りなく完了した暁には、当地に於ける生産能力が16%増加する。
ブリヂストンは、2022年8月31日発表の「2030年長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」で自らが示した道筋に沿って、プレミアムタイヤ事業と共にリトレッドビジネスを中核としたトラック・バス用タイヤ事業の強化を積極的に推進させている。
そのリトレッド事業強化の骨子は「未来のモビリティ産業を支えるため、生産上に於けるオペレーション効果を最大化する事」、「持続可能なタイヤ資源の使い方を通じて、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐ事」、「タイヤ企業がカーボンニュートラルなモビリティ社会の実現を支える事」であるという。
そこでブリヂストンは、最も移動に伴うタイヤ資源を消費する米国当地に於いて、傘下のバンダグ社を介して高品質なリトレッドタイヤを運送事業者へ提供。既に強固なサービス体制を確立させつつある。
今回の米国でのリトレッド用部材の生産能力増強は、その基盤をより強化し、更なる成長への指針を踏み固めていくもの。そのためにも自社のタイヤ基盤技術を核にトラック・バス用タイヤの「循環型ビジネスモデル」の確立を完成させていく構えだ。
それはタイヤ一本一本を使い切り、タイヤの価値を最大化するものであり、リトレッド事業の強化を通じて運送事業者のトータルコストの最適化、資源生産性の向上、CO2排出量を削減させ、競争優位性の高い独自のビジネスモデルの確立を目指す。
アビレーン工場の概要は以下の通り
1.所在地 : アメリカ合衆国テキサス州
2.設立年 : 1971 年
3.建屋面積 : 約 18,500 ㎡
4.従業員数 : 約 200 人(2022 年 9 月時点)
5.生産品目 : トラック・バス用タイヤのリトレッド用部材