ブリヂストンは6月15日、中国で乗用車用タイヤ向け合成ゴムを製造・販売するグループ会社である「普利司通(惠州)合成橡胶(以下、BSRC)」の全株式を、素材・化学関連事業をグローバルに展開する「LCY Chemical(以下、LCY)」に売却すると発表した。
なお、売却価額は非公開。また、今回の会社売却が2021年12月期のブリヂストングループ連結業績予想に与える影響は軽微だとしている。
現在、ブリヂストンでは、中期事業計画(2021-2023)(2月16日発表/※1)に基づき、グローバルすべての地域、領域を対象とする構造改革を進めており、コア事業での経費・コスト構造改革とプレミアムビジネス戦略の推進からなる「稼ぐ力の再構築」をベースに、成長事業・探索事業へ戦略的成長投資を進め、事業環境の変化に応じたポートフォリオ経営を推進、着実に成長する”強い”ブリヂストンへの変革を目指している。
その一環として、中国にあるグループ会社「BSRC」の全株式を、素材・化学関連事業をグローバルに展開するLCYへの売却を決定、中国合成ゴム事業の再編を推進する。
[BSRCとその事業再編の概要]
– 取扱品目:乗用車用タイヤ向け合成ゴム
– 事業会社:普利司通(惠州)合成橡胶有限公司
– 国・地域:中国広東省惠州市
– 事業規模:
・売上高:399百万人民元(約62億円※2、2020年実績)
・従業員数:133名(2020年12月時点)
– 再編の概要:株式売却
(2021年12月14日までにLCYに株式売却完了予定)
– 拠点数:1
<対象拠点>
ブリヂストングループでは、これまで、原材料内製からタイヤ開発、製造、販売、サービスまでを一貫して行う垂直統合を通じて、タイヤ事業の全体最適を図ってきた。しかし現在、その一方で、昨今の目まぐるしく変化する事業環境下、より環境変化に迅速に対応しながら全体最適を図る体制とすべく事業再編を進めている。
グループのみならず、再編対象となる拠点とその従業員の持続的成長を前提に検討を行うこの事業再編において、今回ブリヂストンは、素材・化学関連事業について卓越した専門性を有する企業であるLCYにBSRCを売却することで、新たなシナジーが生まれ、BSRCがサステナブルに社会価値・顧客価値の創出ができるようになると考えている云う。
ブリヂストンは、グループ一丸となって事業環境の変化に応じたポートフォリオ経営を推進し、将来に亘って社会価値・顧客価値を提供し続けるソリューションカンパニーへと進化するとしている。
※1:中期事業計画(2021-2023)の詳細は、ブリヂストン企業サイトに掲載されているプレゼンテーション資料を参照。
※2:1人民元=15.5円で換算。
■LCY Chemical(英語):https://www.lcycic.com/lcy/en/