ブリヂストンのグループ会社であるブリヂストン・サウスアフリカ(BSAF)は、8月20日(現地時間)、保有するポートエリザベス工場(PE工場)の閉鎖に向け、関係者との協議を開始した。
PE工場は、1936年に操業を開始したバイアスタイヤ(※)の専用工場。
ブリヂストングループは、新たな中長期事業戦略構想(7月8日発表)で、「コア事業」であるタイヤ・ゴム事業と、「成長事業」であるソリューション事業による独自のビジネスモデルを構築することを発表。タイヤ・ゴム事業においては、生産拠点の最適化を含めた経費・コスト構造改革とともに、プレミアムビジネス戦略強化等を進め、「稼ぐ力の再構築」を図るとしており、今回の工場閉鎖は、その取り組みの一環となる。
グローバルのタイヤ需要がバイアスタイヤからラジアルタイヤにシフトする中、PE工場が生産するバイアスタイヤの市場規模は縮小。こうした需要構造の変化を踏まえつつ、PE工場継続の可能性を検討してきたが、競争力を維持しながらの継続は困難との結論に至った。
今後BSAFは、PE工場の閉鎖に向けて関係者と協議するとともに、閉鎖により影響を受ける252名の従業員とその家族、地域社会への影響が最小限に留まるよう対話を継続していくとしている。
なお、BSAFならびに主に乗用車用ラジアルタイヤ及びトラック・バス用ラジアルタイヤを生産するブリッツ工場は、就業する2,000名以上の従業員とともに南アフリカ共和国において事業を継続し、引き続き製品・サービス・ソリューションを提供していく。
※タイヤの骨格部(カーカス)を構成するコードが、トレッドの周方向(回転方向)に対して斜め(バイアス)に配列されているタイヤ。地面に接するトレッド部分が柔らかいため乗り心地に優れるが、操縦安定性や耐摩耗性、低燃費性能などにおいては、ラジアルタイヤには劣る。
[BSAFの概要]
– 会社名:Bridgestone South Africa (Pty) Ltd.
(ブリヂストン サウスアフリカ ピーティーワイ リミテッド)
– 所在地:南アフリカ共和国 ハウテン州 ヨハネスブルグ
– CEO:Jacques Fourie (ジャック・フーリエ)
– 資本金:206千南アフリカランド
– 資本比率:ブリヂストングループ 87.5%
– 事業内容:自動車用タイヤの製造・販売
<PE工場>
– 工場名:ポートエリザベス工場
– 所在地:南アフリカ共和国 東ケープ州 ポートエリザベス
– 生産品目:農業機械用バイアスタイヤ及び建設・鉱山車両用バイアスタイヤ
– 操業開始:1936年
– 従業員数:約250名
– 生産能力:約500本/日