ブリヂストンは、ゴムと樹脂を分子レベルで結び付けた世界初のポリマーの開発(※1)に成功したことを、5月17日に発表した。
このポリマーは、一般的な合成ゴムより耐破壊特性が高い天然ゴムと比較して、耐亀裂性が5倍以上(※2)、耐摩耗性が2.5倍以上(※3)、引張強度が1.5倍以上(※4)の性能を有すると云う。
今回開発された「High Strength Rubber(以下、HSR)」は、ブタジエンやイソプレンなどの合成ゴム成分とエチレン(※5)などの樹脂成分を同社独自の改良型Gd触媒(※6)を用いて分子レベルで結びつける(共重合※7)ことにより開発されたハイブリッド材料。
ゴムのしなやかさと樹脂の強靭さを兼ね備えた次世代材料で、同社が2016年12月に発表した、新規ポリイソプレンゴムの合成(※8)で用いたGd触媒技術を更に進歩させた成果だと云う。
ブリヂストンは、HSRについて、天然ゴムを凌駕する強度と耐摩耗性を有することから、タイヤの次世代材料として有望であり、より少ない材料使用量でタイヤに求められる様々な性能を達成できる可能性があるとしている。
またこの開発の成功が、2050年を見据えたブリヂストンの環境長期目標「100%サステナブルマテリアル化」(※9)の達成に大きく貢献するとコメント。
タイヤ以外の製品へのHSR適用についても積極的に検討を進めていくとしている。
※1:同社調べ。
※2:JIS K 6270(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張疲労特性の求め方-定ひずみ方法)を用いて試験。
※3:JIS K 6264-2(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-耐摩耗性の求め方-改良ランボーン摩耗試験)を用いて試験。
※4:JIS K 6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方-)を用いて試験。
※5:プラスチックや化学繊維など石油化学製品の基礎原料。重合して得られるポリエチレンは、最も広く使用されている合成樹脂。
※6:同社が開発した、高性能なゴムを合成できる重合触媒。
※7:2種類以上の成分(モノマー)を1つの化合物として結びつける反応のこと。
※8:分子構造を高度に制御したポリイソプレンゴムの合成に成功 (2016年12月13日 ニュースリリース)。
https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2016121301.html
※9:同社では「継続的に利用可能な資源から得られ、事業として長期的に成立し、原材料調達から廃棄に至るライフサイクル全体で環境・社会面への影響が小さい原材料」をサステナブルマテリアルと位置付けている。
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