B―イノベーションとテストコースのB-モビリティを新設
ブリヂストンは4月21日、テストコースなどを備えた複合施設ブリヂストン「イノベーションパーク(Innovation Park)」(東京都小平市)の本格稼働を開始した。半世紀に渡り開発・生産の中核拠点だった地を再構築し、「100年に一度のモビリティの大変革期」に向け、次世代商品群を生み出すグローバル開発拠点として活用する。
技術・品質部門統括の坂野真人執行役専務・グローバルCTO(最高技術責任者)はオープニングセレモニーで同パーク開設ついて「今変わらなければ、将来がないという思いで(施設設置を)英断した」と強調した。
今回のイノベーションパークの本格稼働は2020年に先行公開していたイノベーションギャラリーに、イノベーションセンター「B―イノベーション」、テストコースの」「B―モビリティ」の2つの施設を新設、追加し、実現したものだ。
リアルとデジタルを融合し、新たな価値を生み出す
イノベーションセンターには、ブリヂストンのコア技術や製品を実際に見て触ってアイデアを膨らませる場の「オープン・イノベーション・ハブ」、工作機械などを有しアイデアを形にする場「ラフプロトスタジオ」、社外のパートナーが使用できる「共創オフィス」などが設けられている。
B-モビリティはモビリティに関する技術や製品のプロトタイプを実車ですぐに体感・検証することができるテストコース。ブリヂストンは栃木県に本格的なテストコースを所有しているが、都心に近い同コースは共創の中から生まれたアイデアを「いち早く試す。繰り返す」などの活用が可能になるとした。
同拠点場所は1960年に東京工場、1962年に技術センターが設置され、ブリヂストンの開発、生産の中核拠点であった場所。そこを再構築することで、次世代を担うイノベーション拠点が誕生した。
働き方も変革し、自己の裁量で多様な働き方を自由にデザイン
ブリヂストンは今年3月に、2030年を見据えた企業コミットメント「E8コミットメント」を発表。Eで始まる言葉で表現した8つの価値を従業員・社会・パートナー・お客様とともに創出、持続的な社会を支えることをコミットする考えを打ち出す。
それらを具現化する機関の一つがこのイノベーションパークとし、EV装着用タイヤや新規事業などに積極的に取り組む考えを示す。活動内容も「リアルとデジタルの融合」へと舵を切り替える方針だ。
東正浩代表執行役グローバルCOO(最高執行責任者)はセレモニーの冒頭、「ブリヂストンは皆様と“共創したい価値”というものを発信しているが、それをどこでどう作るか、そのかたちを具現化するものが今日、問いかけられるでしょう」と述べ、同拠点の重要性を示した。
また、ブリヂストンは同パークの本格稼働に当たって働き方改革にも取り組み、従業員が自己の裁量で「多様な働き方を自由にデザインできる」仕組みを導入する考えを明らかにした。