ブリヂストンは8月7日、鉱山の生産性向上に貢献する建設・鉱山車両用タイヤ(以下、ORタイヤ)「Bridgestone MASTERCORE(以下、MasterCore/マスターコア)」を発表した。(坂上 賢治)
MasterCoreは、他の性能を犠牲にすることなく強靭な耐久性能を実現し、利用顧客毎に異なる鉱山の現場やオペレーションの計画に合わせて「カスタマイズ」することで、最適な性能を提供するという同社が〝断トツ〟と謳う新商品。
タイヤの機能的な価値の選択が可能な「カスタマイズ」を通じ、その性能を最大限に発揮させることで、車両稼働時間の最大化や車両運搬効率の向上といった顧客事業の生産性向上に貢献する。
ちなみに世界の大規模な鉱山現場では、車両の稼働時間を最大化し、一度の車両の稼働でより多くの鉱石をより速く運搬して車両運搬効率を向上させることが、生産性向上のための重要な課題となっている。
鉱山現場における超大型ダンプ車両に装着されたORタイヤ
そこで同社は「断トツ商品」「サービス」「サービスネットワーク」といった「リアル」に、タイヤデータやモビリティデータを活用する「デジタル」を掛け合わせて提供することで、顧客課題を解決すると共に、資源生産性向上等の社会価値の拡大に貢献する鉱山ソリューションを推進している。
そうした意味でMasterCoreは、内製スチールコードをはじめとした素材、構造、製造技術を含む独自の新技術を結集し断トツの高耐久性能を実現させた強靭なタイヤであるとしており、鉱山用ソリューションの基盤を支える商品たという。
より具体的な技術概要は下記の通り。
(1)当社独自のスチールコードコーティング技術「Metal Surface Coating Technology」をタイヤの骨格部材に搭載。従来ゴムに配合していた接着触媒をスチールコードの回りにコーティングすることで、スチールコードとゴムの接着力を画期的に向上
(2)自社で開発し生産する内製の防錆スチールコード
(3)接着触媒を大幅に低減することで、ゴム自体の強度を格段に向上させた新ゴム配合
(4)空気の流れを制御してタイヤ踏面を冷やす空冷技術を搭載したタイヤパターン
鉱山車両のオペレーションは、お客様ごと、鉱山現場ごとに異なり、また同じ鉱山現場であっても走行ルートが違えばタイヤに求められる性能が異なる。MasterCoreは革新技術を基盤として、鉱山の現場やオペレーションの計画に合わせて「速く走れる」「多く積める」「長持ちする」「壊れない」「補修が少ない」というそれぞれに異なるニーズに応える商品ラインナップを揃え、世界中の主要な鉱山からのテストマーケティングを繰り返しているという。具体的には超大型の63インチより展開を始めており、2021年以降順次販売を拡大していく構えだ。