1961年にイタリアで創業したブレンボ。以来、過酷なモータースポーツの世界で600以上のタイトルを獲得。15カ国に32の生産・事業拠点と9つの研究開発センターを構え、約15,000名の従業員と配し、2022年の売上高は36億2,900万ユーロに達している。
そんなブレンボS.p.A.は2024年2月26日(イタリア共和国ロンバルディア州ベルガモ県ステッツァーノ発)、タイへ4,000万ユーロを投じてASEANに於いて同社初の生産拠点を開設する。この投資は(PDF)、当地の二輪産業に於ける自らの立ち位置を固め、東南アジア地域で成長機会を捉えようとするブレンボのグループ戦略の一環となる。
新たに設ける生産拠点では、欧州並びに、米国大陸向けのプロダクト製造のみならず、タイ国内の二輪メーカー向けのブレーキシステムの製造も手掛ける。工場の開設場所は、首都バンコクから南岸側のラヨーン県で、同地域は同国の二輪産業の中心地にあたるエリア。本格稼働後は、およそ150人の従業員を雇用予定という。
既に先の2月16日(金)に現地で起工式を行い工事に着工。新たな生産拠点は1区画約4万m2の用地のうち約1万7,000m2を占め、将来的には最大9万5,000m2まで拡張が可能。稼働開始は2025年第1四半期を目指す。
この取り組みについてブレンボCEOのダニエレ・スキラッチ氏は、「タイでの生産拠点の開設は、ブレンボが掲げるモーターサイクルセクターでの拡大戦略において重要なステップです。
主要な二輪車市場での地位を確立することによって、国内のお客様に対するソリューションプロバイダーとしての当社の役割が一層強固なものになります。今回の投資により、ASEAN地域ので事業開発を推し進める土台を築くことになります。
なお、このプロジェクトは2020年から2021年にかけて行ったデンマークのSBS Friction、スペインのJ.Juanの買収を含め、二輪市場に於ける昨今の投資を補完するものです。
これらの買収によって、ブレンボグループのバイク向け製品ラインナップが拡充されています。バイク事業の収益は現在、ブレンボグループ全体のおよそ13%を占めています」と説明している。