ブレンボは9月2日、初のCoE(研究開発拠点)をアメリカ・シリコンバレーに開設することを発表した。
その名は「ブレンボ・インスピレーション・ラボ」。2021年の第4四半期のオープンを予定しており、ブレンボが有するソフトウェア開発、データサイエンス、人工知能のノウハウを強化するための専門拠点となる。
このCoE(研究開発拠点)の開設によって、ブレンボは、同社のめざすソリューションプロバイダーとしての信頼度向上へ一歩前進するとともに、2020年9月にダニエレ・スキラッチCEOが表明した戦略ビジョン「Turning Energy into Inspiration」の重点目標の一つである全社的なデジタル化の加速を図る。
スキラッチ氏は次のように語った。「当社初のCoE(研究開発拠点)をシリコンバレーにオープンできることになり、大変喜ばしく思っております。ハイテクとイノベーションで世界的に有名なこの地に進出して投資する背景には、自動車産業に影響を与える未曽有の課題に取り組んでいこうという明確で意欲的な目標があります。
今はデータサイエンスと人工知能を活用する時代。これは当社の未来を構築し技術的なリーダーシップを強化する大きなチャンスです。ブレンボ・インスピレーション・ラボで当社のデジタル文化を高め、いっそうお客様に寄り添った「メイド・イン・ブレンボ」の最新技術をお届けできるよう取り組んでまいります。」
また、ブレンボは同日、バイク用ブレーキシステムの開発・製造を専門に手がけるスペインのJ.Juan(以下「ホタ・ホアン」)グループの株式を100%取得する契約を締結したことを発表した。
ホタ・ホアンは、スペイン・バルセロナ県ガバに本社を置く1965年創業の会社で、工場をスペイン国内に3か所、中国に1か所保有している。
今回のホタ・ホアンの買収によって、ブレンボグループが提供するバイク用ブレーキシステムのラインナップが拡がり、ニーズの高まるバイク分野でのブランドファミリーが増えることになる。
ブレンボのアルベルト・ボンバッセイ会長は次のようにコメントした。「ホタ・ホアンをグループにお迎えすることができて、とても光栄です。今回の合意は当社のグローバル戦略の一環で、直近の例ではデンマークのSBSフリクション社との締結がありました。
当社の中核事業であるバイク分野の強化に向けて、今後も投資に力を入れていくつもりです。ユーザーの皆さまに質の高いソリューションをより総合的に幅広く提供していきたいという、我々のメーカーとしての方向性を強化していただけることになり、実に素晴らしい契機だととらえています。」