ボッシュは5月25日、2021年5月26日(水)から7月30日(金)までオンラインで開催される「人とくるまのテクノロジー展2021オンライン」に出展し、サステイナブルかつ安全なモビリティに向けた幅広い製品・技術を紹介すると伝えた。
その内容は、日本初出展となる燃料電池パワーモジュールをはじめ、EV向けCVTソリューション、Advanced Driving Moduleなど、自動化、電動化、ネットワーク化に関するソリューションが展示されるとのことだ。
<主な展示内容>
◾️日本初出展:燃料電池パワーモジュール (商用車向け燃料電池システム)
水素をもとに電気を発生させ、出力に応じて規模を変更できる燃料電池パワーモジュール。燃料電池スタック、スタックの稼働に必要な水素の供給や吸気を扱うサブモジュール、冷却回路、電流供給装置が一つのコンパクトなモジュールに収めている。
同製品は主に商用車、特に長距離車両向けとなり、長寿命、高耐久かつ高いパフォーマンスを発揮できるように設計。また、約700もの部品からなる複雑なモジュールを一製品に収め、車両に組み込みやすいソリューションとなっている。。
◾️日本初出展:燃料電池コンポーネント(エアバルブ2種)
・スタック分離・圧力制御バルブ
スタック分離・圧力制御バルブは、カソードサブシステムの吸入・排出経路での空気の流量や圧力を調整し、また、車両停止時には空気のスタックへの流入を最小限に抑えるべく、吸入・排出経路を遮断。バルブは、水素の噴射量を調整するとともに、燃料電池システム全体の出力制御と効率、またスタック耐久性の最大限の維持に大きく貢献するという。
・加湿器バイパスおよびスタックバイパスバルブ
バイパスバルブは、バイパス経路内の気流を調整。加湿器バイパスバルブは、スタック内の湿度を適性に保ち、高いシステム効率を確保する。スタックバイパスバルブは、排出経路に余剰な空気をバイパスさせ、電動エアコンプレッサーのサージを防止する。
◾️日本初出展:CVT4EV
ボッシュが1985年から提供している、エンジンの出力をプッシュベルトで被駆動アクスルに伝達する「無段自動変速機CVT」の技術を活用し、EV向けに専用設計したプッシュベルト方式の無段変速機「CVT4EV」を紹介する。
CVT4EVは、効率アップ、牽引モードでのトルクアップ、良好な加速や最高速度の向上などを達成。トルク段差のない無段変速により、EV走行特有の滑らかさを維持しながら、変速比に幅を持たせることで効率とパフォーマンスのベストバランスを確保。CVTの採用により、EVの走行モードをフレキシブルに設定することができ、多様な市場ニーズに適したEVラインアップの設定を可能としている。
同システムは、常時、最も電動パワートレインの効率が良いところで動作するようCVTをコントロールするもので、より安価でコンパクトな電気モーターでこれまでと同等もしくはそれ以上の性能を発揮できる。また、従来の電気モーターであれば、航続距離の延長が可能。これにより、電気自動車メーカーは、バッテリー容量と航続距離の最適なバランスを取れるようになる。
CVT4EVは、単一のデザインで中型車、スポーツカーから小型商用車までの様々なアプリケーションに対応できるパワートレイン。このソリューションはCVT4EVモジュール、インバーター、電気モーター、車両に合わせて比率を設定したアクスルドライブで構成され、最終減速比とソフトウェアの適合によって、ハードウェアのバリエーションは各種セグメントや車両タイプに対しても、コンポーネントの共通化を可能に。これにより、開発・製造コストの低減も叶えるとのことだ。
◾️日本初出展:Advanced Driving Module
EVマーケットにおいては新規自動車メーカーが参入してきており、これまでの様な個別の部品に対する要求ではなくシステムソリューションに対する要求が増えてきている。
今回の展示会では、Pre-Integratedコンセプトを最大限に拡張したRolling Chassisに加え、eAxle、コントロールユニット、ブレーキシステム、ステアリングシステムなどのコンポーネントを組み合わせたAdvanced Driving Moduleを日本で初めて紹介予定。
同ソリューションによりインターフェースが簡素化され、コンポーネント間の通信を最適化できるようになるとのことだ。また、車両安定とエネルギー回生など電気自動車での最適な制御を実現。最先端のハードウェアとソフトウェアを組み合わせることで、自動車メーカーは開発効率を高め、電気自動車をより迅速に市場に投入することができるとしている。
※ボッシュエンジニアリングとの共同出展
◾️日本初出展:LTE65-JP テレメトリシステム
LTE 65-JPは、4G-LTE通信回線を利用したテレメトリシステムで、車両における各種データのリアルタイムな送受信を実現するもの。データはシステムに含まれるクラウドサービス(RaceConnect)を通して送受信され、日本国内のサーキットやテストコースでの走行データをピットやオフィス、または自宅で受信するといった、様々なユーザーニーズに対応する。通信には主に携帯電話で使用されている4G回線を利用するため、通信圏内であれば特別な設備・インフラは必要としない。LTE65-JPは日本の技術認証である技術基準適合証明(技適)を取得し、暗号化技術を用いたRaceConnectと併せて、安心・安全な使用が可能となっている。
通信プロトコルはイーサネットとシリアルに対応しており、ボッシュが提供するディスプレイ、ECU、データロガーでの使用はもちろん、他社製の各種機器でも使用可能だという。
※ボッシュエンジニアリングによる出展
【製品・技術を含む展示内容一覧】
自動化ソリューション
– 自動運転の要素技術
– 完全無人自動駐車システム
– センサーシミュレーションシステム/ iVESS(ボッシュ・グループのITKエンジニアリングジャパンによる出展)
電動化ソリューション
– E/Eアーキテクチャーおよびビークルコンピューター
– 電気自動車(EV)およびハイブリッド車(HEV)向けコンポーネント
– 電気自動車およびハイブリッド車向けサーマルマネジメントシステム
– 充放電適合試験環境およびV2Xシミュレーター(ITKエンジニアリングジャパンによる出展)
ネットワーク化ソリューション
– インフォメーション ドメインコンピューター
– バッテリーインザクラウド
– コンビニエンスチャージング
上記以外
– 車両システムエンジニアリング(ボッシュエンジニアリングによる出展)
– リモート車両アクセス(ボッシュエンジニアリングによる出展)
– テストベンチ(ITKエンジニアリングジャパンによる出展)
– CI/CDツールチェーン / DevOps(ITKエンジニアリングジャパンによる出展)