ボッシュは12月16日、新しいクロスドメイン コンピューティング ソリューション事業部が、17,000名の従業員を擁して2021年1月から始動することを発表した。
この事業部には、運転支援、自動運転、カーマルチメディア、パワートレイン、ボディ エレクトロニクスの各分野のソフトウェアエンジニアリングおよび電気・電子系エンジニアリングの専門知識を持った人材を集約する。
その理由は、自動車メーカーのクルマ造りに於いて、開発工程がハードウエア主体からソフトウェア主導へと変化していることにある。つまり今後、車載コンピュータは新たなクルマ造りで中心的な役割を果たすと見ているためだ。
ちなみにボッシュによると、車載コンピュータの市場規模はおよそ200億ユーロにのぼるとしており、2030年までに年間15%の成長を見込んでいるという。車載コンピュータの統合開発部門の新設は、この需要を満たすことが目的となる。
特に中央コンピューターは毎秒数十億回の演算処理能力によって、自動運転やデータベースのサービス、恒久的なソフトウェアアップデートに必要なビッグデータを処理するようになる。この結果、車両本体価格のうちソフトウェアが占める割合は、現在の10%から将来的には30%にまで拡大するとした。
今後、ソフトウェア機能のアップデートにも対応していく車載コンピュータは、早晩コンパクトカーや高級セダン、40トントラックなど、あらゆる車両の標準搭載される。これにより車載コンピュータは現行システムの複雑さから開放され、安全性を高めることができる他、開発コストやシステムの搭載重量、設置スペースの節約にも繋がる。
来る2021年1月からクロスドメイン コンピューティング ソリューション事業部の事業部長に就任するマティアス・ピリン氏は「ボッシュの車載コンピュータは、個々の車両ドメインを横断して、より複雑な運転機能を制御できるようになります」と結んでいる。