ドイツを拠点とする自動車部品等のメーカーであるボッシュが、4月25日、2017年度の同社業績について、売上高781億ユーロ(約10.21兆円)、支払金利前税引前利益(EBIT)53億ユーロ(約7000億円)に到達し、過去最高の数字を記録したと発表した。
売上高の成長率は6.8%(為替調整後では8.4%)で、為替変動によるマイナスの影響は約12億ユーロ(約16000億円)。
また、支払金利前税引前の営業利益(EBIT)は、前年比で約17%の増加を記録している。
同社は、この業績について「歴代最高の数字」であり、2017年度は「成功の年である」としている。
また、2017年度の事業セクター別業績では、特にモビリティ ソリューションズ セクターが好調。同セクターの売上高は、7.8%増(為替調整後は9.4%増)の474億ユーロ(約6兆円)に達している。
ちなみに、この売上高には、2017年末に売却したスターターモーター&ジェネレーター事業部の売上高も計上。また、営業利益率は7.3%で、2016年よりも1%上昇している。
業績好調の要因は幾つかあるが、例えば同社では2017年度に電動パワートレインシステムの製造について20件の契約を獲得し、合計で約40億ユーロ(約5200億円)の売上を実現。
2020年以降に電気自動車がマスマーケットになると予測している同社では、今後も「eモビリティ市場の牽引役としての地位を目指す」と言及している。
2018年の売上高成長目標は、経済的および地政学的要因に由来するリスクを考慮した上で、2~3%と設定する同社。
しかしながら、今後も同社では、自動運転車に使われるセンサー類、米国のスタートアップ企業「Splitting Fares Inc.(SPLT)」を買収して始めたライドシェアリング事業、NOx排出量を抑えた新しいディーゼル技術など、次世代モビリティに関する事業に注力することで、さらなる業績アップを目指す意向だ。