ボルグワーナーは5月2日( 米国ミシガン州オーバーンヒルズ発 )、BEV用の電動トルクベクタリングおよびディスコネクト( eTVD / 2WD走行時に不要になる駆動系を切り離す機構 )システムを初めて市場に投入し、ポールスター(Polestar)を筆頭とする欧州主要OEM向けに発売した。
同社のeTVDは、ディファレンシャルに代わる3-in-1 システムとして提供するもの。これによりトルク ベクタリングとオンデマンド切断の両方の機能を備えられる。
この場合、ブレーキベースの類似システムとは違い、トルクベクタリングは不必要なブレーキ介入を防止するためハーシュネスや振動が軽減される。またブレーキやタイヤの磨耗も減り、粒子の排出量も減ることになる。
なおeTVDはボルグワーナーの電気トルク管理システム (eTMS) ソリューション ポートフォリオの一部であり、ホイール トルクをインテリジェントに制御して安定性を高め、優れた動的パフォーマンスを提供。発進時と加速時のトラクションを向上させるように設計されているという。
このeTVD は現在、ポールスター3 SUV向けで生産されているが、OEM 独自のプラットフォームのニーズや特定のブランド特性に合わせてカスタマイズできる高レベルのソフトウェアと制御が提供できるため、今年後半にはヨーロッパの主要OEM 向けにも生産される予定としている。
一般的に多くのeTVD システムは、BEV の重量が重いと敏捷性が低下する可能性があるが、同社のeTVD システムは、全体的な安全性を高めながら車両の軽量感を実現できるとしている。
それゆえ望ましくない運転特性のリスクが最小限に抑えられ、要求が厳しいシナリオ環境下でもトルク応答が瞬時に行われ、スムーズで安全な走行を保証できる。従って道路や気象条件に関係なく優れたトラクションが得られるようになると結んでいる。
今発表製品についてボルグワーナー社副社長兼ボルグワーナードライブトレインおよびバッテリーシステム社長兼ゼネラルマネージャーを務めるフォルカー・ウェン氏は、「当社のBEV向けの新トルク管理システムは、当社の長年の知見に裏付けられた専門知識を活かす取り組みの一例を示しています。
市場が大きくソフトウェア定義のモジュールに移行しているため、当社のeTVDのような、幅広い状況下で車両の挙動を正確かつ迅速に計算、予測、制御できるシステムを導入することが重要です。
試乗体験に関しては、多くのお客様から非常に肯定的なフィードバックを頂いており、当社のソフトウェア、制御、および校正の専門知識を活用して更なる市場ニーズに対応致してまいります」と話している。