BMWグループは11月20日、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスが最近公開した世界およびヨーロッパのダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ・インデックス(DJSI)の評価において、BMWグループが「自動車」セクターで100ポイント中80ポイントを獲得して1位となったと発表した。
これにより、BMWグループは、世界で最も持続可能性の高い自動車メーカーとして証明されたことになる。BMWグループは、ダウ・ジョーンズ・サステイナビリティ・インデックスの開始以来、何年も業界のトップグループにいる唯一の自動車メーカーである。
2020年は、BMW含め自動車産業から合計39の企業が評価された。BMWグループは、そのうち3つの評価部門(ガバナンス&経済、環境、社会的側面)すべてにおいて、更なる改善が認められた
BMW AG取締役会会長オリバー・ツィプセはBMWの取り組みについて「気候変動との戦いと資源利用は、社会の将来、そしてBMWグループの将来をも決定します。そのため、当社はサステイナビリティと資源保護を企業方針の中心に置き、その2つをあらゆる部門で規定しました。将来の成功を見据えた重要な布石であると、見なしています。なぜなら、ビジネス・モデルとサステイナビリティは、当社にとって切り離せないものだからです。」と語っている。
■BMWグループ、これまでの取り組み
BMWグループは、2006年に国際的な生産ネットワークが本格化して以降、各生産車両当たりのエネルギー消費量は40パーセント縮小され、CO2排出量は約70パーセント削減されている。すべての生産拠点では、再生可能エネルギーによる電力だけを購入している。また1995年から2019年の間に、ヨーロッパで販売した新車のCO2排出量を約42パーセント削減した。さらにサプライ・チェーン・マネージメントでも一貫して高い環境基準および社会的基準を設定し、この分野の先駆者となっている。
■今後の取り組み
そして本年7月、BMWグループはサステイナビリティ分野で新たな戦略方針を打ち出した。
同方針では、2030年までの明確なCO2削減目標が示されており、新規事項として、今回初めて、サプライ・チェーンから生産、使用終了までの全ライフ・サイクルにわたり、この目標が設定された。全体として、各車両当たりのCO2排出量は少なくとも3分の1低下すると考えられ、BMWグループが2019年に生産した250万台以上の車にこれを適用すれば、2030年にはライフ・サイクルを通じてCO2が4千万t以上減少することになる。
生産では、2019年から2030年までにBMWグループの排出量(スコア1+2)を80%縮小する。これに成功すれば、残存する排出量は2006年当時に比べて10%以下となる。
2020年以降は100%のグリーン電力を購入することに加え、BMWグループはエネルギー効率の徹底した最適化への投資も行う予定である。さらに、世界中の生産現場での残りの排出量は、該当する排出許可証を利用して補正する。これにより、BMWグループの全工場は、2021年以降、クライメート・ニュートラルで生産を行うことになる。
2030年までに、BMWグループの車両は、1キロメートル当たりのCO2排出量を40%低減する。この目標は、eモビリティの大規模な拡大によって達成する予定である。すなわち、BMWグループは10年間で合計700万台以上の電気自動車を送り出す計画で、その約2/3は純電気自動車である。
サプライ・チェーンにおいても、BMWグループは各車両当たりのCO2排出量を、2019年と比較して20パーセント低下させる。従って、サプライヤーのCO2フットプリントは、今後、決定プロセスでの委託基準として定着するだろう。これによってBMWグループは、サプライ・チェーンの具体的なCO2目標値を定めた最初の自動車メーカーとして先駆的な地位を占めることになる。
BMWグループでは、明確にパリ協定に従い、新たに掲げられた目標によって、2℃の目標よりもさらに野心的な道を目指しているとしている。