ビー・エム・ダブリューは1月26日、BMW Motorradとして初となるMモデル「BMW M 1000 RR(エム・セン・アールアール)」を、BMW Motorrad正規ディーラーにおいて、2月1日より、予約注文の受付を開始すると発表した。納車は、本年初夏を予定している。
BMW M 1000 RRは、BMWのサブ・ブランドであるBMW Mの名を冠した、BMW Motorrad初のMモデル。現行のBMW S 1000 RRをベースとしたBMW M 1000 RRは、カスタマー・スポーツからWSBKまで、モーター・スポーツのあらゆる要件に対応できるという。
■メーカー希望小売価格(消費税込み)
– BMW M 1000 RR:¥3,783,000
– BMW M 1000 RR Mコンペティション・パッケージ:¥4,280,000
※上記のメーカー希望小売価格は、付属品価格、税金(消費税を除く)、保険料、登録に伴う諸費用を含まない車両本体価格。
モーター・スポーツと公道での最高のパフォーマンスに向けた
純粋なレーシング・テクノロジー
BMW M 1000 RRに、世界最強の文字「M」を冠することで、レーシングにおける成功を表わすとともに、ハイ・パフォーマンスであるBMWモデルの魅力を表している。エンジン出力212 PS(156kW)を発生し、軽量化を実現したBMW M 1000 RRは、サーキットで最高のパフォーマンスを発揮できるように設計されたサスペンションとエアロダイナミクスを備え、スーパーバイクにおいてトップ・セグメントに君臨するモデルと言える。
BMW M 1000 RRに搭載されている水冷式4気筒直列エンジンは、BMW S 1000 RRのパワートレインをベースとし、レーシング・スポーツ・エンジンに適したように徹底的に変更を加えた可変バルブ・タイミングとバルブ・リフトを変化させるBMW ShiftCamテクノロジーを採用し、最高出力は212 PS(156kW)/14,500rpm、最大トルクは113Nm/11,000rpmに達している。BMW M 1000 RRのエンジンは、BMW S 1000 RRより、最高回転数が15,100rpmに上昇した他、新しいマーレ社製の2リング鍛造ピストン、燃焼室の変更、13.5に上昇した圧縮比、さらに長く軽くなったパンクル社製のチタン製コネクティング・ロッド、さらにスリムに軽くなったロッカー・アーム、新しいダクト形状の完全機械加工したインテーク・ポート、最適化したカムシャフトとインテーク・エリア、軽量エグゾースト・システムもチタン製にするなど、技術的に徹底的に最適化されている。BMW M 1000 RRのエンジンは、サーキットでのドライビング・ダイナミクスに特に関係のある6,000rpm~15,100rpmの回転域においてパワフルにすると同時に、ワインディングでのスポーティな走りのための魅力的なパワー源としての長所も兼ね備えている。
Mウイングレットとハイ・ウインド・シールドは、加速時のホイールと路面との接触を可能な限り高くするため、BMW M 1000 RR用に、サーキットとBMWグループの風洞実験室で徹底的なテストを通じて、フロント・トリムにクリア・コート・カーボン製Mウイングレットが開発された。 Mウイングレットは、速度に応じて空力的なダウン・フォースを生成し、グランドコンタクトつまりタイヤの接地圧を増大させ、また、ダウン・フォースの増大によって、ウィリーの傾斜が低く抑制され、トラクション・コントロールの制御が減ることで、多くの駆動力が加速に変換され、ラップ・タイムの短縮が可能になっている。Mウイングレットによるダウン・フォースは、カーブやブレーキング時にも顕著であり、今までより遅めのブレーキングが可能になるとともに、コーナリング時の安定性が向上している。さらにBMW M 1000 RRにはハイ・ウインド・シールドが装備され、ヘルメットの空気流の空気力学およびMウイングレッドの空力的効果により、最高速度が維持される。
サーキットでの使用に向けてジオメトリーを変更して調整したシャシー・デザイン、最適化されたホイール荷重配分、調整が容易なスイングアームピボットは新設計として調整幅を拡大し、さらにリア・アクスルも新設計として、クイックリリースに対応したリア・ブレーキピストンの採用によってより素早いリアホイール交換が可能になっている。
BMW M 1000 RRのシャシーは、BMW S 1000 RRをベースとし、メインフレームにアルミニウム製ブリッジ・フレームを採用。倒立フォークは最適化され、リアサスペンションユニットはブルーのインナーローターと組み合わされたフローティングディスクを組み込んで見直しが加えられている。
BMW M 1000 RRは、BMW Mモデルと同様に、Mブレーキが装着された初のBMWのモーターサイクルである。スーパーバイク世界選手権でのBMW Motorradファクトリー・マシンの経験を元に開発され、最大限の耐フェード性と制御性を発揮する。Mブレーキ・キャリパーは陽極酸化処理でブルーにコーティングされ、Mロゴが備わっており、Mカーボン・ホイールを装着したBMW M 1000 RRは、サーキットでも公道でも最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、さらなるハイテク・コンポーネントが組み込まれている。