カナダのブラックベリー(BlackBerry)とマレリ(MARELLI)は、12月10日、マレリの中国エレクトロニクス・ビジネスユニットにおいて、ブラックベリーの「QNX Platform for Digital Cockpits」を、マレリの「eCockpit and Digital Cluster solution」と一体化するため、戦略的提携を行うと発表した。
このプラットフォームは、マレリの中国での顧客である主要自動車メーカーへの提供が見込まれていると云う。
ブラックベリーの「QNX Platform for Digital Cockpits」は、同社の安全性認定を受けた「QNX Hypervisor for Safety」と「QNX Platform for Instrument Clusters」、そして「QNX CAR Platform for Infotainment」といったアンドロイドの実装を組み合わせて、完全に一体化されたソフトウェアソリューション。
このソリューションの活用で、マレリの「eCockpit and Digital Cluster solution」は、家庭や職場で個人が経験するコネクテッド・エクスペリエンスの車内空間への反映が可能になると同時に、重要なシステムの安全性と信頼性を保証。
これにより、自動車メーカーは、安全で信頼性が高いQNXベースのデジタルインストルメント・クラスターとインフォテインメント・システムを提供し、最新のアンドロイドベースのアプリケーションに単一のECUからのアクセスが可能になると云う。
ブラックベリーのシニアバイスプレジデントで、BlackBerry Technology Solutionsの共同責任者を務めるKaivan Karimi氏は、以下のように話している。
「ドライバーが必要とする車内体験のために、安全性、セキュリティ、および信頼性とともに実現する革新的ソリューションを提供するマレリと協業できることは、非常に光栄なことです。
両社が協力することで、中国の大手自動車メーカーが、消費者が求める最新のアプリケーションへのアクセスを提供できるようになり、同時にデジタル・コックピットのインフォテインメントを保護しサンドボックス化することで、アプリがクラッシュしたり、セキュリティが侵害されたり、アップデートが必要になったりしても、運転機能に深刻な影響を与えることがなくなります。
両社の関係は、2016年からQNX Hypervisor for SafetyやQNX Software Development Platform (SDP) 7.0を使用して、中国の大手自動車メーカー4社が導入するコックピットシステムを開発してきたBlackBerryとマレリとの強固な基盤のうえに築かれています」。
またマレリの中国エレクトロニクス・ビジネスユニット・ゼネラルマネージャーのWisea Wu氏は、以下のように話している。
「競争の激しい世界の自動車マーケットでは、新しい自動車関連の技術がこれまで以上に急速に進化しています。
ブラックベリーとの提携は、当社の戦略に沿ったものであり、顧客のために安全で信頼性の高い次世代のデジタル・コックピットの開発を可能にし、中国の自動車メーカーがセキュリティとコネクティビティを強化するのに役立つと考えています」。
ブラックベリーは、世界中の自動車メーカーとティア1メーカーに最先端の基本ソフトウェアとサイバーセキュリティ技術を提供。QNXテクノロジーは、高度な運転支援、デジタルインストルメント・クラスター、コネクティビティ・モジュール、ハンズフリー、インフォテインメント・システムで多くの自動車メーカーやティア1メーカーに採用されている。
なお、ブラックベリーの自動車関連製品は、来年1月7日~10日にLas Vegas Convention Centerで開催される「Consumer Electronics Show(CES)」で紹介される(北ホールの#7515ブース)。
■BlackBerry QNXプラットフォーム(英語):http://blackberry.qnx.com/en#top