NEXT MOBILITY

MENU

2019年12月11日【テクノロジー】

ブラックベリーとマレリ、中国のデジタル・コックピット戦略で提携

NEXT MOBILITY編集部

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

カナダのブラックベリー(BlackBerry)とマレリ(MARELLI)は、12月10日、マレリの中国エレクトロニクス・ビジネスユニットにおいて、ブラックベリーの「QNX Platform for Digital Cockpits」を、マレリの「eCockpit and Digital Cluster solution」と一体化するため、戦略的提携を行うと発表した。

 

このプラットフォームは、マレリの中国での顧客である主要自動車メーカーへの提供が見込まれていると云う。

ブラックベリーの「QNX Platform for Digital Cockpits」は、同社の安全性認定を受けた「QNX Hypervisor for Safety」と「QNX Platform for Instrument Clusters」、そして「QNX CAR Platform for Infotainment」といったアンドロイドの実装を組み合わせて、完全に一体化されたソフトウェアソリューション。

 

このソリューションの活用で、マレリの「eCockpit and Digital Cluster solution」は、家庭や職場で個人が経験するコネクテッド・エクスペリエンスの車内空間への反映が可能になると同時に、重要なシステムの安全性と信頼性を保証。

 

これにより、自動車メーカーは、安全で信頼性が高いQNXベースのデジタルインストルメント・クラスターとインフォテインメント・システムを提供し、最新のアンドロイドベースのアプリケーションに単一のECUからのアクセスが可能になると云う。

 

 

 

ブラックベリーのシニアバイスプレジデントで、BlackBerry Technology Solutionsの共同責任者を務めるKaivan Karimi氏は、以下のように話している。

 

「ドライバーが必要とする車内体験のために、安全性、セキュリティ、および信頼性とともに実現する革新的ソリューションを提供するマレリと協業できることは、非常に光栄なことです。
 両社が協力することで、中国の大手自動車メーカーが、消費者が求める最新のアプリケーションへのアクセスを提供できるようになり、同時にデジタル・コックピットのインフォテインメントを保護しサンドボックス化することで、アプリがクラッシュしたり、セキュリティが侵害されたり、アップデートが必要になったりしても、運転機能に深刻な影響を与えることがなくなります。
 両社の関係は、2016年からQNX Hypervisor for SafetyやQNX Software Development Platform (SDP) 7.0を使用して、中国の大手自動車メーカー4社が導入するコックピットシステムを開発してきたBlackBerryとマレリとの強固な基盤のうえに築かれています」。

 

またマレリの中国エレクトロニクス・ビジネスユニット・ゼネラルマネージャーのWisea Wu氏は、以下のように話している。

 

「競争の激しい世界の自動車マーケットでは、新しい自動車関連の技術がこれまで以上に急速に進化しています。
 ブラックベリーとの提携は、当社の戦略に沿ったものであり、顧客のために安全で信頼性の高い次世代のデジタル・コックピットの開発を可能にし、中国の自動車メーカーがセキュリティとコネクティビティを強化するのに役立つと考えています」。

 

 

ブラックベリーは、世界中の自動車メーカーとティア1メーカーに最先端の基本ソフトウェアとサイバーセキュリティ技術を提供。QNXテクノロジーは、高度な運転支援、デジタルインストルメント・クラスター、コネクティビティ・モジュール、ハンズフリー、インフォテインメント・システムで多くの自動車メーカーやティア1メーカーに採用されている。

 

なお、ブラックベリーの自動車関連製品は、来年1月7日~10日にLas Vegas Convention Centerで開催される「Consumer Electronics Show(CES)」で紹介される(北ホールの#7515ブース)。

 

 

■BlackBerry QNXプラットフォーム(英語):http://blackberry.qnx.com/en#top

CLOSE

坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。