ドイツのBASFは現地時間の12月7日、自動車触媒事業を独立させ、新たな貴金属サービスの事業体「BASF Automotive Catalysts and Recycling(BASFオートモーティブ・カタリスツ・アンド・リサイクリング/本社:米国ニュージャージー州イズリン)」を設立すると発表した。
BASF Automotive Catalysts and Recyclingでは、最大45億ユーロを投資して、電池材料とリサイクル関連事業をさらに強化。自動車触媒と自動車触媒のリサイクルおよび関連する貴金属サービスを行い、電気自動車への移行という大きな変革期にある自動車業界に於いて、内燃機関市場の今後の変化に備えた事業運営と、将来の戦略的選択の可能性を拡大する。
移行は来年1月から開始され、最長で18ヶ月掛かる見込み。約20カ所の生産拠点と4,000人以上の従業員で構成され、引き続きグローバルで事業を展開していく。
BASFは、電池材料への戦略的注力と、自動車触媒事業の新たな体制を通して、今後も自動車業界の顧客に持続可能で革新的なソリューションを提供していくとしている。
関係者のコメント
BASFの取締役会メンバーで、サーフェステクノロジー事業セグメントを担当するマーカス・カミート氏
「BASFは、自動車触媒、自動車触媒のリサイクルおよび関連する貴金属サービス事業において、チームが開発したインパクトのあるイノベーションを誇りに思っています。競争力があり、費用対効果が高く、革新的なソリューションへの持続的な注力は、お客様との強固な関係と堅実な収益実績につながっています。BASFは、ポートフォリオを継続的に評価しており、今回の事業分離により、この事業に自由度とアジリティーを与え、市場とお客様のニーズにさらに集中できるようにしたいと考えています」。
BASF Automotive Catalysts and RecyclingのCEOとして指揮を執るディルク・ブレム氏
「BASFの自動車触媒とそのリサイクル事業部は、業界をリードする革新者です。献身的で有能なチームと協力して、目の前のチャンスをつかみ、世界中で増え続ける排出ガス規制に対応し、お客様を支援するソリューションを開発・提供し続けることができることを嬉しく思っています」。
BASFの触媒事業本部プレジデントのDr. ペーター・シューマッハー氏
「BASFは、アジア、ヨーロッパ、北米に大きな生産能力を持つ、革新的で持続可能な正極材のリーダーとなると考えています。最近発表された長期電池材料戦略では、2030年に70億ユーロ以上の売上を目標とした電池材料および卑金属(ベースメタル)サービスの野心的な成長計画が示されています。その成長計画を実行するために、BASFは2022年から2030年の間に、35億ユーロから45億ユーロ相当を電池材料に投資することを目標としています」。