ドイツの総合化学会社BASFは、自動車の内装に独特の外観を与える、高品質かつ魅力的な次世代の表面強化用構造材料として、Ultramid® B3E2G6 SI BK23353とUltramid® B3E2G10 SI BK23353を開発し、11月19日発表した。
ポリアミド6をベースとしたガラス繊維強化タイプのこの2種類は、VOC超低排出で紫外線安定性が高く、自動車内装の目に見える機能部品での使用に最適だという。BASFでは2017年に光沢と耐久性を兼ね備えた自動車内装用の特殊ポリアミド、Ultramid® Deep Glossを市場投入している。
自動運転、エレクトロモビリティ、サステナビリティ、軽量設計、エネルギー効率など、自動車業界に影響を及ぼすトレンドは数多い。また、設計者や開発者が内装に重点を置くようになってきており、四輪車での快適な空間の追求がますます加速している。そのため、部品の手触りや視覚的要素が、これまで以上に重要になってきた。これにともない、BASFは、際立つ見た目の内装を実現する高品質かつ魅力的な表面用の革新的な材料を開発した。
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部の製品開発者、ライナー・ザルター氏は、次のように述べている。
「質の高い表面を実現する自動車内装の機能部品向けのSIグレードが新たに開発されたことで、既存の製品群に新たなソリューションが追加されました。平滑な表面、マットな表面、シボ表面を持つ構造部品が、ひとつの工程で製造できます。表面品質を向上させるために、部品に塗装を施す必要はありません。」
一般的な材料の表面でよく見られる、ガラス繊維の浮きは、新たなSIグレードを使用することでほぼ抑えられる。ガラス繊維の添加量を変えることで、中程度の剛性、あるいは超高剛性の部品を製造することが可能であるとしている。
■数多くの用途に使える新材料
Ultramid® B3E2G6 SI BK23353とUltramid® B3E2G10 SI BK23353は、換気ラメラやステアリングコラムレバー、アームレスト、カップホルダー、ドアハンドルにも適している。Ultramid®の優れた材料特性により、非常に長期の使用が可能。また、今回発表する新材料は市販の洗浄剤の影響を受けないため、「シェアードモビリティ」の人気の高まりで、頻繁に行われる業者による車内清掃にも対応できる、非常に重要な特性を有していると言える。
BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部のインテリアマーケティングマネージャーであるラグナル・ストール氏は、「研究開発における当社の専門知識により、内装における多用途材料への需要の高まりに対応し、車におけるデザイン性や雰囲気をより重視するトレンドをサポートしていけます。設計者や自動車メーカーからの要求は常に増大していますが、私たちは当社製品で、どの用途に対しても、適切なソリューションを提供するよう心がけています」と述べている。