BASFは、車両のレーダーセンサー向けの改質ポリブチレンテレフタレート(PBT)である、Ultradur®(ウルトラデュアー) RXを開発した。BASFジャパンが2020年12月11日に発表した。
BASF、レーダーセンサーの精度を高めるUltradur® RXの販売を開始
– 自動運転に使用するセンサーの高い要件を満たすPBT
– Ultradur® RXが信号雑音を吸収し最小限に抑えることで、道路交通における安全性が向上
– 幅広い用途に対応した製品グレードを販売開始
自動車業界向けの新技術の開発では、搭乗者の快適さと安全に重点が置かれる。これらに大きく貢献する化学技術は、今後のモビリティの課題においても重要な役割を果たしていくことになる。自動運転は、エレクトロモビリティに加えて、未来のモビリティに不可欠な要素であり、こうした自動運転の発展にともない、センサーの使用も増加している。
自動運転車のセンサーに対する需要の高まり
Ultradur®は、水跳ねや油、塩類などに対して高い耐性を持つことから、センサーのハウジングに優れた保護効果をもたらす。また、この新材料は、ハウジング内の繊細な電子機器を、他の車両由来の電磁波によるかく乱から保護する。
BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部のUltradur®研究開発部門のエリック・ガベルズは、次のように述べている。「新たなUltradur® RXシリーズのグレードはどれも 76〜81ギガヘルツ(GHz)の干渉電波を吸収し、最小限に抑えるよう設計された製品であるため、繊細な電子機器を高いレベルで保護します。このように誘電特性を最適化した材料は、センサー部品に求められる高い基準を満たすとともに、レーダーセンサーのハウジングカバーやセンサーのプリント基板背面材といった用途に最適です。」
干渉電波の吸収と反射
道路交通における電磁干渉の問題が増大するなか、センサーを最適な形で機能させるためにはこうした信号雑音を吸収し、最小限に抑えることが重要である。Ultradur® はそうした用途に最も適した製品である。レーダーからの干渉電波を抑えることで、受信信号をより良い形で処理することが可能となり、安全性が向上。Ultradur® RXは機能性プラスチックとして、金属ハウジングの代替となる優れた製品であり、車両の軽量化と効率化に貢献する。
吸収性能は幾何学的条件に左右されるため、通常は用途ごとに適した材料を選択する必要があるが、Ultradur® RXシリーズは、いかなる状況にも最適なソリューションを取り揃えており、すでに販売を開始している。