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2021年9月6日【企業・経営】

BASF、中国の電池材料メーカーと合弁会社を設立

NEXT MOBILITY編集部

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ドイツの総合化学会BASFは独時間の8月31日、中国の寧波杉杉股份(以下、杉杉)と全ての関係当局の承認を経て、合弁会社「BASF Shanshan Battery Materials」を設立(出資比率:BASF 51%/杉杉 49%)したと発表。この現地発表をBASFジャパンは9月6日付けで日本国内市場に向けて公表した。

杉杉は、300件以上の特許技術を保有し、中国国家標準の制定にも参加する、リチウムイオン電池の正極材、負極材、電解液の世界有数のサプライヤー。2021年にはLG化学の偏光板事業を買収し、高度な技術を持つ世界最大の液晶偏光板メーカーとなることを目指している。

 

今回この杉杉とBASFが設立した新たな合弁会社である「BASF Shanshan Battery Materials」は、中国の湖南省と寧夏省に4拠点に1,600人以上の従業員を有する等、原材料、正極材前駆体(PCAM)、正極材(CAM)、電池リサイクル等、電池材料のバリューチェーンにおいて、すでに確固たる地位を築いていると云う(※)。

 

新会社では、BASFの強固な技術力と開発力、グローバルな事業展開、そして原材料供給のための戦略的パートナーシップと、杉杉の豊富な経験、包括的な製品ポートフォリオ、優れたスケールアップ能力で、新会社は急速な成長を遂げる電気自動車(EV)市場に注力し、世界の家電製品やエネルギー貯蔵分野へも継続的に製品・サービスを提供。両者は、中国における「BASF Shanshan Battery Materials」の継続的な成長を促し、来年までに年間9万トンのCAM生産を目指すとしている。

 

 

 

 

今回の杉杉との取引完了は、16万トンのCAM生産能力を備えた、グローバルな電池材料のバリューチェーンを来年までに構築するための戦略的ロードマップを進めるBASFにとって、大きな節目になると云う。BASFは、グローバルな製造・研究開発拠点を通じて、全ての主要市場に効率性、近接性、相乗効果と共に、電池メーカーや自動車メーカーにテーラーメイドの正極材を提供していくとしている。

 

 

※BASFと杉杉が2021年に設立した合弁会社であるBASF Shanshan Battery Materialsは、2003年、杉杉によって設立され、すでに中国における正極材(CAM)のリーディングサプライヤーとして、酸化コバルトリチウム(LCO)や三元系正極材などの業界をリードする製品を提供。中国湖南省の長沙、寧郷、ならびに寧夏省の水山に4つの生産拠点を有しています。2022年には年間9万トンの生産能力を持つことにる。湖南省長沙サイトには、240人以上の科学者や専門家を擁し、製品の研究開発、分析、試験に重点を置いた先進的な研究開発センターがすでに建設されている。

 

 

 

 

[各社コメント]

 

■BASF取締役のDr. マーカス=カミート氏

今回の中国での投資により、BASFは世界最大の電池市場に貢献するための、理想的なポジションを得ることができました。中国での確固たる地位を利用し、電池材料分野での当社のグローバルな成長をさらに加速させていきます。

 

■杉杉会長の鄭永剛氏

BASFと協力して、新たな合弁会社をさらに強化していくことを楽しみにしています。BASFと杉杉は、この合弁会社のEV市場における地位をさらに高め、中国および世界中のお客様に最高レベルの製品を提供していきます。

 

 

 

 

■杉杉股份(中国語):http://www.ssgf.net/

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坂上 賢治

NEXT MOBILITY&MOTOR CARS編集長。日刊自動車新聞を振り出しに自動車産業全域での取材活動を開始。同社の出版局へ移籍して以降は、コンシューマー向け媒体(発行45万部)を筆頭に、日本国内初の自動車環境ビジネス媒体・アフターマーケット事業の専門誌など多様な読者を対象とした創刊誌を手掛けた。独立後は、ビジネス戦略学やマーケティング分野で教鞭を執りつつ、自動車専門誌や一般誌の他、Web媒体などを介したジャーナリスト活動が30年半ば。2015年より自動車情報媒体のMOTOR CARS編集長、2017年より自動車ビジネス誌×WebメディアのNEXT MOBILITY 編集長。

松下次男

1975年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として国会担当を皮切りに自動車販売・部品産業など幅広く取材。その後、長野支局長、編集局総合デスク、自動車ビジネス誌MOBI21編集長、出版局長を経て2010年論説委員。2011年から特別編集委員。自動車産業を取り巻く経済展望、環境政策、自動運転等の次世代自動車技術を取材。2016年独立し自動車産業政策を中心に取材・執筆活動中。

間宮 潔

1975年日刊自動車新聞社入社。部品産業をはじめ、自動車販売など幅広く取材。また自動車リサイクル法成立時の電炉業界から解体現場までをルポ。その後、同社の広告営業、新聞販売、印刷部門を担当、2006年に中部支社長、2009年執行役員編集局長に就き、2013年から特別編集委員として輸送分野を担当。2018年春から独立、NEXT MOBILITY誌の編集顧問。

片山 雅美

日刊自動車新聞社で取材活動のスタートを切る。同紙記者を皮切りに社長室支社統括部長を経て、全石連発行の機関紙ぜんせきの取材記者としても活躍。自動車流通から交通インフラ、エネルギー分野に至る幅広い領域で実績を残す。2017年以降は、佃モビリティ総研を拠点に蓄積した取材人脈を糧に執筆活動を展開中。

中島みなみ

(中島南事務所/東京都文京区)1963年・愛知県生まれ。新聞、週刊誌、総合月刊誌記者(月刊文藝春秋)を経て独立。規制改革や行政システムを視点とした社会問題を取材テーマとするジャーナリスト。

山田清志

経済誌「財界」で自動車、エネルギー、化学、紙パルプ産業の専任記者を皮切りに報道分野に進出。2000年からは産業界・官界・財界での豊富な人脈を基に経済ジャーナリストとして国内外の経済誌で執筆。近年はビジネス誌、オピニオン誌、経済団体誌、Web媒体等、多様な産業を股に掛けて活動中。

佃 義夫

1970年日刊自動車新聞社入社。編集局記者として自動車全分野を網羅して担当。2000年出版局長として「Mobi21」誌を創刊。取締役、常務、専務主筆・編集局長、代表取締役社長を歴任。2014年に独立し、佃モビリティ総研を開設。自動車関連著書に「トヨタの野望、日産の決断」(ダイヤモンド社)など。執筆活動に加え講演活動も。

熊澤啓三

株式会社アーサメジャープロ エグゼクティブコンサルタント。PR/危機管理コミュニケーションコンサルタント、メディアトレーナー。自動車業界他の大手企業をクライアントに持つ。日産自動車、グローバルPR会社のフライシュマン・ヒラード・ジャパン、エデルマン・ジャパンを経て、2010年にアーサメジャープロを創業。東京大学理学部卒。

福田 俊之

1952年東京生まれ。産業専門紙記者、経済誌編集長を経て、99年に独立。自動車業界を中心に取材、執筆活動中。著書に「最強トヨタの自己改革」(角川書店)、共著に「トヨタ式仕事の教科書」(プレジデント社)、「スズキパワー現場のものづくり」(講談社ピーシー)など。