BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)のコーティングス事業本部は7月16日、デザインコンペティションの「レッド・ドット・デザイン賞:プロダクトデザイン部門」で、今年唯一の自動車用塗料として表彰された。
同社によるとコーティングス事業本部がデザインしたZENOMENON(ゼノメノン)は、革新的な技術と特別な魅力のあるデザインで、レッド・ドット賞の審査委員会の「素材と表面」カテゴリーの専門家に感銘を与えたと述べている。
ZENOMENON(ゼノメノン)は、協力パートナーであるカリフォルニアのサイプレスマテリアル社により開発された、特殊ポリマー構造を用いて設計されている。
この特殊ポリマー構造は、再生可能材料を高比率で使用しており、従来の顔料とは異なるものだという。この方法により、この色は自動車用塗料の魅力的なデザインにおいて、より持続可能な選択肢となるとした。
より具体的には、自己組織化された層状構造から、可視スペクトルの光を反射する独特のカラーエフェクトを生み出す。これにより、塗装表面にひときわきらめく、玉虫色の輝きを放つ。このポリマーはLiDARやRADARセンサーシステムにも適しており、将来のモビリティーを見据えているとしている。
レッド・ドット賞の審査委員会は、「レッド・ドット・デザイン賞では、全ての応募作品が、優れたデザインの4つの基本原則(機能性、魅力、使いやすさ、社会的責任)に基づいて評価されます。
ZENOMENON(ゼノメノン)の開発は、非常に未来志向です。特にデザインの美しさ、サステナビリティ、機能性の相互作用は魅力的です」と述べた。
一方で受賞したBASFで自動車用コーティングス部門カラーデザインのグローバル責任者を務めるマーク・グートヤール氏は、「化学会社として、プロダクトデザイン部門でレッド・ドット賞を受賞したことは、私たちにとって非常に名誉なことです。
今回の受賞は、BASFのデザインとテクノロジーに関する専門知識、そして自動車業界のお客様が当社に寄せる革新的なソリューションへの信頼を示すものです」と語っている。
なお、このZENOMENON(ゼノメノン)で塗装された展示品を含む、全ての受賞作品は、ドイツ・エッセンのユネスコ世界遺産ツォルフェラインにあるレッド・ドット・デザイン・ミュージアムで開催される受賞者展の一環として、2025年5月まで展示される予定だ。